浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0549A01: | 人には。なを九境の魔事ありといふ。彌陀の一事に |
| J09_0549A02: | はもとより魔事なし。果人淸淨なるかゆへにといへ |
| J09_0549A03: | り。佛をたぶらかす魔縁なけれは。念佛のものをは |
| J09_0549A04: | さまたぐへからす。他力をたのむによるかゆへ也。 |
| J09_0549A05: | 百丈の石を船にをきつれは。万里の大海をすくるか |
| J09_0549A06: | ことし。又念佛の行者のまへには。彌陀觀音等つね |
| J09_0549A07: | にきたり。二十五の菩薩百重千重に圍繞護念し給へ |
| J09_0549A08: | は。魔縁たよりをうへからす |
| J09_0549A09: | 問。阿彌陀佛を念するに。いかはかりのつみをか滅 |
| J09_0549A10: | し候 |
| J09_0549A11: | 答。一念によく八十億劫の生死の罪を滅すといひ。 |
| J09_0549A12: | 又但聞佛名二菩薩名除無量劫生死之罪なと申候 |
| J09_0549A13: | そかし |
| J09_0549A14: | 問。念佛と申候は佛の色相を念し候か |
| J09_0549A15: | 答。佛の色相光明を念するは觀佛三昧なり。報身を |
| J09_0549A16: | 念じ。同躰の佛性を觀するは。智あさく。心せはき |
| J09_0549A17: | 我等が境界にあらす。善導の給はく。相を觀せずし |
| J09_0549B18: | て。たた名字を稱ぜよ。衆生さはりをもくして。觀成 |
| J09_0549B19: | する事かたし。此ゆへに大聖あはれみをたれて稱名 |
| J09_0549B20: | をもはらにすすめ給へり。心かすかにしてたましゐ |
| J09_0549B21: | 十方にとびちるかゆへ也といへり。又本願の文を善 |
| J09_0549B22: | 導釋しての給はく。若我成佛十方衆生願生我國 |
| J09_0549B23: | 稱我名號下至十聲乘我願力若不生者不取 |
| J09_0549B24: | 正覺彼佛今現在世成佛當知本誓重願不虚衆生稱 |
| J09_0549B25: | 念必得往生とおほせられて候。とくとく安樂淨土 |
| J09_0549B26: | に。往生せさせおはしまして。彌陀觀音を師として。 |
| J09_0549B27: | 法花の眞如實相平等の妙理。般若の第一義空。眞言 |
| J09_0549B28: | の即身成佛。一切の聖敎。心のままにさとらせおは |
| J09_0549B29: | しますへし云云 |
| J09_0549B30: | |
| J09_0549B31: | 大胡太郞實秀へつかはす御返事 |
| J09_0549B32: | さきの便にはさしあふ事候て。御返事こまかに申さ |
| J09_0549B33: | す候ひき。さためて不審におほし召候らんと思給 |
| J09_0549B34: | 候。さてはたつねおほせられ候し事とも。御文なと |