浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0548A01: | はかりこといまたわきまへずして他郷にあり。日夜 |
J09_0548A02: | に思惟するくるしみたへしのふへからず。時として |
J09_0548A03: | 父母をおもはすといふことなし。はかりことすてに |
J09_0548A04: | なりて。すなはちかへり達する事をえて。父母に親 |
J09_0548A05: | 近し。ほしきままに歡娛するかことし。行者もまた |
J09_0548A06: | しか也。むかし煩惱によりて善心を壞亂して。福智 |
J09_0548A07: | の珍財ならひにみな散失せり。ひさしく生死にしづ |
J09_0548A08: | みて。つねに魔王のやつことなりて。六道に駈馳せ |
J09_0548A09: | られてくるしみ身心をせむ。今善縁にあひて彌陀の |
J09_0548A10: | 慈父をききて。日夜に發心して往生をねかふ。まさ |
J09_0548A11: | に佛恩を念して。報盡を期として。心につねに思ふ |
J09_0548A12: | へし。信心相續して餘業をましへざれ。四に無餘修 |
J09_0548A13: | といふは。要决にいはく。もはら極樂をもとめて。 |
J09_0548A14: | 彌陀を禮念するなり。但諸餘の行業を雜起せざれ。 |
J09_0548A15: | 所作の業は日別に念佛すへし。善導のの給はく。も |
J09_0548A16: | はらかの佛の名號を念し。もはらかの佛をよひかの |
J09_0548A17: | 土の一切の聖衆等をほめて餘業をましへざれ。專修 |
J09_0548B18: | のものは。百はすなはち百なからむまれ。雜修のも |
J09_0548B19: | のは百か中にわつかに一二也。雜縁にちかづきぬれ |
J09_0548B20: | はみつからもさへ他の往生の正行をもさふる也。我 |
J09_0548B21: | みづから諸方をみきくに。道俗の解行不同にして專 |
J09_0548B22: | 雜こと也。たた心をもはらになすは。十は即十なか |
J09_0548B23: | らむまる。雜修のものは千か中に一つもえずとい |
J09_0548B24: | ふ。又善導の御弟子釋しての給はく。西方淨土の業 |
J09_0548B25: | を修せんとおもはんものは。四修おつる事なく。三 |
J09_0548B26: | 業まじはる事なくして。一切の諸願諸行を廢して。 |
J09_0548B27: | たた西方の一行一願を修せよとこそ候へ |
J09_0548B28: | 問。一切の善根は。魔王のためにさまたげらると。 |
J09_0548B29: | 是はいかがして對治し候へき |
J09_0548B30: | 答。魔波旬といふ物は。衆生をたぶらかすものな |
J09_0548B31: | り。一切の行業は。自力をたのむゆへ也。念佛の行 |
J09_0548B32: | 者は。身をは罪惡生死の凡夫とおもへは。自力をた |
J09_0548B33: | のむ事なくして。唯彌陀の願力に乘して往生せんと |
J09_0548B34: | ねがふに。魔縁たよりをうる事なし。觀惠をこらす |