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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0539A01: かの佛を稱して。餘の稱名をまじへざれ。五に觀察
J09_0539A02: の正行といは。憶念觀察せんには。かの土の二報莊
J09_0539A03: 嚴等を觀察して。餘の觀察をまじへざれ。此五種を
J09_0539A04: 往生の正行とす。此正行の中に又二あり。一には
J09_0539A05: 正。二には助也。稱名をもて正とし。禮誦等をもて
J09_0539A06: 助業となづく。此正助二行をのぞきて。自餘の修善
J09_0539A07: をはみな雜行となづく。又釋していはく。自餘の衆
J09_0539A08: 善はみな善となづくといへとも。念佛にたくらふれ
J09_0539A09: はまたく比挍にあらずとのたまへり。淨土をねがは
J09_0539A10: せ給はは。一向に念佛をこそは申させたまはめ
J09_0539A11: 問。餘行を修して往生せん事はかなひ候ましや。さ
J09_0539A12: れとも法華經に。即往安樂世界阿彌陀佛所といひ。密
J09_0539A13: 敎の中にも決定往生の眞言あり。諸敎の中に淨土に
J09_0539A14: 往生すべき功力をとけり。又穢土の中にして佛果に
J09_0539A15: いたるといふ。かたき德をたに具せる敎を修行して
J09_0539A16: やすき往生極樂に廻向せは。佛果にかなふまてこそ
J09_0539A17: かたくとも。往生はやすく候へきとこそおほえ候へ。
J09_0539B18: 又をのづから聽聞なとにうけ給はるにも。法花念佛
J09_0539B19: は。ひとつ物と釋せられ候。ならべて修せんに。な
J09_0539B20: にかくるしく候へき
J09_0539B21: 答。雙卷經に。三輩往生の業をときて。ともに一向
J09_0539B22: 專念無量壽佛との給へり。觀無量壽經に。もろもろ
J09_0539B23: の往生の行をあつめてとき給ふに。をはりに阿難に
J09_0539B24: 付屬し給ふ所には。なんぢ此語をたもて。此語をた
J09_0539B25: もてといふは無量壽佛の名をたもつなりととき給
J09_0539B26: ふ。善導觀經を釋してのまふに。定散兩門の益をと
J09_0539B27: くといへとも。佛の本願にのぞむれは。一向にもは
J09_0539B28: ら彌陀の名號を稱せしむるにありといふ。おなしき
J09_0539B29: 經の文に。一一の光明十方世界の念佛の衆生をて
J09_0539B30: らして。攝取してすてたまはすととけり。善導釋し
J09_0539B31: ての給はく。餘の雜業のものをてらし攝取すといふ
J09_0539B32: 事をは論ぜすと候。されはとて餘行のものは。ふつ
J09_0539B33: とむまれすといふにはあらす。善導も。廻向してむま
J09_0539B34: るへしといへとも。すへて疎雜の行となづくとこそ

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