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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0536A01: くしてたかき木すゑのはなをおらんとせんかこと
J09_0536A02: し。必專修念佛は。現當のいのりと成候也。これも
J09_0536A03: 經の説にて候也。又御内の人ひとには。九品の業を。
J09_0536A04: 人にしたかひて。はしめをはりたへ候ひぬへきやう
J09_0536A05: に。御すすめ候へし。あなかしこあなかしこ
J09_0536A06:
J09_0536A07: 要義問答
J09_0536A08: まことに此身には道心のなき事と病はかりやなけき
J09_0536A09: にて候らん。世をいとなむ事なけれは。四方に馳走
J09_0536A10: せず。衣食ともにかけたりといへとも。身命をおし
J09_0536A11: む心切ならねは。あなかちにうれへとするにをよは
J09_0536A12: す。心をやすくせん爲にも。捨候へき世にこそ候め
J09_0536A13: れ。いはんや無常のかなしみは目の前にみてり。い
J09_0536A14: つれの月日をかをはりの時の期せん。さかへあるも
J09_0536A15: のも久しからず。いのちあるものも又うれへあり。
J09_0536A16: すべていとふへきは六道生死のさかひ。ねがふへき
J09_0536A17: は淨土の菩提也。天上にむまれてたのしみにほこる
J09_0536B18: といへとも。五衰退沒のくるしみあり。人間にむま
J09_0536B19: れて國王の身をうけて。一天下をしたがふといへと
J09_0536B20: も。生老病死。愛別離苦。怨憎會苦。一事もまぬか
J09_0536B21: るる事なし。たとひこれらの苦なからんすら。三惡
J09_0536B22: 道に歸るをそれあり。心あらん人はいかかいとはざ
J09_0536B23: るべき。うけがたき人界の生をうけて。あひがたき
J09_0536B24: 佛敎にあふ。此たひ出離をもとめさせ給へ。
J09_0536B25: 問おほかたさこそ思ふ事にて候へとも。か樣に仰ら
J09_0536B26: るること葉につきて。左右なく出家をしたりとも。心
J09_0536B27: に名利をはなれたる事もなく。無道心にて人に謗を
J09_0536B28: なされん事いかかとをぼへ候。在家にありておほく
J09_0536B29: の輪迴の業をまさんよりは。よき事にてや候へき
J09_0536B30: 答。たはぶれにあさの衣をき。酒にゑひて出家をし
J09_0536B31: たる人。みな佛道の因となりきと。舊き物にも書つ
J09_0536B32: たへられて候。往生十因と申す文には勝如聖人の父
J09_0536B33: 母ともに出家せし時。おとこはとし四十一。妻は三
J09_0536B34: 十三也。修行の僧をもて師としき。師ほめていは

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