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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0533A01: 女もへだてす。若は佛の在世の衆生。若は佛の滅後
J09_0533A02: の衆生。若は末法萬年の後。三寳みなうせたる時の
J09_0533A03: 衆生迄も。たた念佛ばかりこそ。現當の祈禱とはな
J09_0533A04: り候はめ。善導和尚は彌陀の化身にて。殊に一切衆
J09_0533A05: 生をあはれみ給ひて。諸の聖敎をかんがへて。專修
J09_0533A06: 念佛をすすめ給へるも。ひろく一切衆生のためにて
J09_0533A07: 候也。されは彌陀の本願により。善導の御心にした
J09_0533A08: がひて。念佛の一門をすすめ候はんに。いかてか無智
J09_0533A09: の人のみにかきりて。有智の人をへたてて往生せさ
J09_0533A10: せじととし候はんや。若しからは。彌陀の本願にも
J09_0533A11: そむき。善導の御意にもかなふへからす。然は此邊
J09_0533A12: にまうてきて。往生の道をたつね候人には。有智無
J09_0533A13: 智を論ぜす。ひとへに專修念佛をすすめ候なり。さ
J09_0533A14: やうに專修念佛を申候をととめんとつかまつる人
J09_0533A15: は。先世に念佛三昧得道の法門をきかずして。後の
J09_0533A16: 世にさためてまた三惡道にかへるへき者の。しかる
J09_0533A17: へくてさやうに申也。そのゆへは聖敎にひろくみえ
J09_0533B18: て候也。是即修行するをみては毒心ををこし。方便
J09_0533B19: してきをひてあたをなす。かくのごときの生盲闡提
J09_0533B20: のともからは。頓敎を毀滅してながく沈淪す。大地
J09_0533B21: 微塵劫を超過すとも。いまた三途の身をはなれん事
J09_0533B22: を得へからすと。とき給へり。此文の意は。淨土をね
J09_0533B23: がひ念佛を行ずる人を見ては。毒心ををこしひか事
J09_0533B24: をたくみめくらして。樣樣の方便をなして。專修
J09_0533B25: 念佛の行をやぶり。あたをなして。申ととむる也。
J09_0533B26: かくのごときの人は。むまれてより佛法のまなこし
J09_0533B27: ゐて。善根のたねをうしなへり。闡提のともからな
J09_0533B28: り。是彌陀の名號をとなへて。なかく生死をはなれ
J09_0533B29: て。常住の極樂に往生すへけれとも。この敎法をそ
J09_0533B30: しりほろぼすつみによりて。ながく三惡道にしつ
J09_0533B31: む。かくのこときの人は。大地微塵劫をつくすと
J09_0533B32: も。ながく三途の身をはなれんこと有へからすとい
J09_0533B33: ふ也。しかれは則さやうにひが事を申さん人をは。か
J09_0533B34: へりてあはれみ給ふへき也。左程の罪人の申さんに

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