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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0532A01: 佛がめてたき事にて候也。そのむねは。三昧發得の
J09_0532A02: 善導和尚の觀經の疏にみえて候。されは雙卷經に
J09_0532A03: は。一向專念無量壽佛ととき給ひて候。をよそ一向
J09_0532A04: のことはは。二向三向に對して。ひとへに餘行をえ
J09_0532A05: らひすて。きらひのぞく意にて候なり。往生要集に
J09_0532A06: も。諸行の中に念佛すぐれたるよし見へて候。又傳
J09_0532A07: 敎大師の。七難消滅の法にも。念佛をつとむへしと
J09_0532A08: みえて候。されは君達なとのをいのりの料にも。念
J09_0532A09: 佛かめてたき事にて候。をよそ十方の諸佛。三界の
J09_0532A10: 天衆の擁護し給ふ行にて候へは。現世後生の御つと
J09_0532A11: め。何事かこれにすき候はん。いまはたた。一向專
J09_0532A12: 修の但念佛にならせ給ふへく候
J09_0532A13:
J09_0532A14: 鎌倉の二位の禪尼へ進する御返事
J09_0532A15: 御文のやうくはしくうけ給候ぬ。さては念佛の功
J09_0532A16: 德は。佛もときつくしがたしとの給ひて候。され
J09_0532A17: は智惠第一の舍利弗。多聞第一の阿難も念佛の功德
J09_0532B18: はしりがたしとの給て候ひし也。かくのことく廣大
J09_0532B19: の善根にて候へは。まして源空なとは申つくすへく
J09_0532B20: も候はす。源空。此朝にわたりて候聖敎を。隨分に
J09_0532B21: ひらき見候へとも。淨土の敎文は。わたりはてすと
J09_0532B22: かんかへて候。わずかに震旦よりとりわたして候。
J09_0532B23: 敎文をたにも。一年二年なとには。申つくすへくも
J09_0532B24: おほえ候はす。さりなからも。おほせをかうふりて
J09_0532B25: 候へは。少少申のへ候へし。先念佛を信せさる人
J09_0532B26: ひと候ひて。申候なる事は。くまかへの入道。つの
J09_0532B27: との三郞なとは。無智のものなれはこそ。餘行をはせ
J09_0532B28: させすして。念佛はかりをは。法然房はすすめたれ
J09_0532B29: と申候なる事。きはまりなきひが事にて候。其ゆへ
J09_0532B30: は。念佛の行は。本より有智無智をえらはす。彌陀
J09_0532B31: のむかしちかひ給ひし本願は。あまねく十方世界の
J09_0532B32: 一切衆生のためなり。無智のためには念佛を願と
J09_0532B33: し。有智のためには餘行を願とし給ふ事なし。され
J09_0532B34: は有智無智。善人惡人。持戒破戒。貴も賤も。男も

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