ウィンドウを閉じる

J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0528A01: らぬかたもありぬへし。又つみつくりたる人たにも
J09_0528A02: 往生すれは。まして功德なれは法華經なとをよまん
J09_0528A03: は。なにかはくるしかるへきなと申す人もあり。そ
J09_0528A04: れらはむげにきたなき事也。往生をたすけはこそい
J09_0528A05: みじからめ。さまたげにならぬばかりを。いみじき
J09_0528A06: 事とてくはへをこなはん事は。なにかは詮あるへき。
J09_0528A07: 惡をはされは佛の御意にこのみてつくれとやすすめ
J09_0528A08: 給へる。かまへてとどめよとこそいましめ給へと
J09_0528A09: も。凡夫のならひ。當時のまよひにひかれて惡をつ
J09_0528A10: くる事はちからをよはぬ事なれは。慈悲ををこして
J09_0528A11: すて給はぬにてこそあれ。まことに惡をつくる人の
J09_0528A12: やうに。餘行どもをくはへたからんは。ちからをよ
J09_0528A13: はす。ただし經なとをよまん事を。惡つくるにいひ
J09_0528A14: ならべて。それもくるしからねは。ましてこれも
J09_0528A15: なとといはんは不便の事也。ふかき御のりもあしく
J09_0528A16: 意うるものにあひぬれは。返りて物ならすあさまし
J09_0528A17: くかなしき事也。ただあらぬさとりの人の。ともか
J09_0528B18: くも申さん事をはききいれすして。すすみぬへから
J09_0528B19: ん人をは誘すすむへし。さとりたがひてあらぬさま
J09_0528B20: ならん人なとに。論しあふ事なとはゆめゆめあるま
J09_0528B21: しき事也。ただわが身一人まづよくよく往生をねか
J09_0528B22: ひて。念佛をはげみて。位たかく往生して。いそき
J09_0528B23: 返りきたりて。人人を引導せんとおもふへき也。又
J09_0528B24: 善導の往生禮讃に。問ていはく。阿彌陀佛を稱念禮
J09_0528B25: 觀するに。現世にいかなる功德利益かある。答てい
J09_0528B26: はく。阿彌陀佛をとなふる事一聲すれは。すなはち
J09_0528B27: 八十億劫の重罪を除滅す。又十往生經にいはく。も
J09_0528B28: し衆生ありて。阿彌陀佛を念して往生をねかふもの
J09_0528B29: は。かのほとけすなはち二十五の菩薩をつかはし
J09_0528B30: て。行者を護念し給ふ。もしは行。もしは坐。もし
J09_0528B31: は住。もしは臥。もしはよる。もしはひる。一切の
J09_0528B32: 時。一切のところに。惡鬼惡神をしてそのたよりを
J09_0528B33: えせしめ給はすと。又觀經にいふこときは。阿彌陀
J09_0528B34: 佛を稱念して。かのくにに往生せんとおもへは。か

ウィンドウを閉じる