浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0527A01: | をこなひをは。ことことくみな雜行となづく。ただ |
| J09_0527A02: | 極樂に往生せんとおもはは。一向に稱名の正定業を |
| J09_0527A03: | 修すへき也。これすなはち彌陀本願の行なるがゆへ |
| J09_0527A04: | に。われらが自力にて生死をはなれぬへくは。かな |
| J09_0527A05: | らすしも本願の行にかきるへからすといへとも。他 |
| J09_0527A06: | 力によらずは往生をとげかたきかゆへに。彌陀の本 |
| J09_0527A07: | 願のちからをかりて。一向に名號をとなへよと。善導 |
| J09_0527A08: | はすすめ給へる也。自力といは。わがちからをはげ |
| J09_0527A09: | みて往生をもとむる也。他力といは。たた佛のちか |
| J09_0527A10: | らをたのみたてまつる也。このゆへに正行を行する |
| J09_0527A11: | ものをは。專修の行者といひ。雜行を行するをは。 |
| J09_0527A12: | 雜修の行者と申也。正行を修するは。心つねにかの |
| J09_0527A13: | 國に親近して。憶念ひまなし。雜行を行するもの |
| J09_0527A14: | は。心つねに間斷す。廻向してむまるる事をうへし |
| J09_0527A15: | といへとも。疎雜の行となづくといひて。極樂にう |
| J09_0527A16: | とき。行といへり。又專修のものは。十人は十人な |
| J09_0527A17: | からむまれ。百人は百人なからむまる。なにをもて |
| J09_0527B18: | のゆへに。外に雜縁なくして正念をうるがゆへに。 |
| J09_0527B19: | 彌陀の本願と相應するがゆへに。釋迦の敎に順する |
| J09_0527B20: | がゆへ也。雜修のものは。百人の中に一二人むま |
| J09_0527B21: | れ。千人の中に四五人むまる。なにをもてのゆへ |
| J09_0527B22: | に。彌陀の本願と相應せさるがゆへに。釋迦の敎に |
| J09_0527B23: | 順せさるがゆへに。憶想間斷するがゆへに。名利と |
| J09_0527B24: | 相應するがゆへに。自もさへ他の往生をもさふるが |
| J09_0527B25: | ゆへにと釋し給ひたれは。善導を信して淨土宗にい |
| J09_0527B26: | らん人は。一向に正行を修して。日日の所作に。一 |
| J09_0527B27: | 万二万乃至五万六万十万をも。器量のたへんにした |
| J09_0527B28: | かひて。いくらなりともはげみて申すへきなりとこ |
| J09_0527B29: | そ意えられたれ。それにこれをききなから。念佛の |
| J09_0527B30: | 外に餘行をくはふる人のおほくあるは。意えられぬ |
| J09_0527B31: | 事也。そのゆへは。善導のすすめ給はぬ事をは。す |
| J09_0527B32: | こしなりともくはふへき道理ゆめゆめなき也。すす |
| J09_0527B33: | め給へる正行をたにも。なをものうき身にて。いま |
| J09_0527B34: | たすすめ給はぬ雜行をくはふへき事は。まことしか |