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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0526A01: く佛のちかひをたのみて。往生をねかはんする心な
J09_0526A02: り。深き淺き事こそかはりめありとも。たれも往生
J09_0526A03: をもとむる程の人は。さ程の心なき事やはあるへ
J09_0526A04: き。かやうの事は疎く思へは大事におほえ。とりよ
J09_0526A05: りて沙汰すれはさすかにやすき事也。かやうにこま
J09_0526A06: かに沙汰し。しらぬ人も具しぬへく。又よくよく知
J09_0526A07: たる人も少る事ありぬへし。されはこそいやしくを
J09_0526A08: ろかなるものの中にも往生する事もあり。いみじく
J09_0526A09: たとけなるひじりの中にも臨終わろく往生せぬもあ
J09_0526A10: り。されともこれを具足すへき樣をもよくよく意え
J09_0526A11: わけて。わが意に具したりともしり。又少たりとも
J09_0526A12: 思はんをはかまへてかまへて具足せんとはけむへきこと
J09_0526A13: なり。これを安心となづくる也。これぞ往生する心
J09_0526A14: のありさまなり。これをよくよく意えわくへきな
J09_0526A15: り。次に起行といは。善導の御意によらは。往生の
J09_0526A16: 行おほしといへとも。おほきにわかちて二とす。一
J09_0526A17: には正行。二には雜行也。正行といは。これに又あ
J09_0526B18: またの行あり。讀誦正行。觀察正行。禮拜正行。稱
J09_0526B19: 名正行。讃嘆供養正行。これらを五種の正行となづ
J09_0526B20: く。讃嘆と供養とを二行とわかつ時には。六種の正
J09_0526B21: 行とも申也。この正行につきて。ふさねて二とす。
J09_0526B22: 一には一心にもはら彌陀の名號をとなへて。行住坐
J09_0526B23: 臥によるひるわするる事なく。念念にすてさるを正
J09_0526B24: 定の業となづく。かのほとけの願に順するがゆへに
J09_0526B25: といひて。念佛をもてまさしくさためたる往生の
J09_0526B26: 業にたてて。もし禮誦等によるをは。なづけて助業
J09_0526B27: とすといひて。念佛の外に阿彌陀佛を禮し。もしは
J09_0526B28: 三部經をよみ。もしは極樂のありさまを觀するも。
J09_0526B29: 讃嘆供養したてまつる事も。みな稱名念佛をたす
J09_0526B30: けんがためなり。まさしくさためたる往生の業は。
J09_0526B31: ただ念佛はかりといふ也。この正と助とをのそきて
J09_0526B32: 外の諸行をは。布施をせんも。戒をたもたんも。精
J09_0526B33: 進ならんも。禪定を修せんも。かくのことくの六度
J09_0526B34: 萬行。法華經をよみ。眞言ををこなふ。もろもろの

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