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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0525A01: 異見異學。別解別行の人のために。動亂破壞せられ
J09_0525A02: ざれといへり。この釋の意はまつわが身につきて。
J09_0525A03: 前世にもつくりとつくりたらん功德をみなことこと
J09_0525A04: く極樂に廻向して往生をねかふ也。わが身の功德の
J09_0525A05: みならず。一切凡聖の功德をも廻向するなり。凡と
J09_0525A06: いは。凡夫のつくりたらん功德をも。聖といは。佛
J09_0525A07: 菩薩のつくり給はん功德をも。隨喜すれはわが功德
J09_0525A08: となるをもて。みな極樂に廻向して往生をねがふな
J09_0525A09: り。詮するところ。往生をねがふよりほかに。異事
J09_0525A10: をばねかふまじき也。わが身にも人の身にも。この界
J09_0525A11: の果報をいのり。又おなしく後世の事なれとも。極樂
J09_0525A12: ならぬ淨土にむまれんともねがひ。もしは人中天上
J09_0525A13: にむまれんともねかひ。かくのことくかれこれに廻
J09_0525A14: 向する事なかれと也。もしこのことはりを思ひさだ
J09_0525A15: めざらんさきに。この土の事をもいのり。あらぬか
J09_0525A16: たへ廻向したらん功德をも。みなとり返して。いま
J09_0525A17: は一すぢに極樂に廻向して往生せんとねかふへき
J09_0525B18: 也。一切の功德をみな極樂に廻向せよといへはと
J09_0525B19: て。又念佛の外に。わさと功德をつくりあつめて廻
J09_0525B20: 向せよといふにはあらす。ただすぎぬるかたの功德
J09_0525B21: をも。今は一向に極樂に廻向し。こののちなりとも
J09_0525B22: をのつからたよりにしたかひて僧をも供養し。人に
J09_0525B23: 物をもほどこしあたへたらんをも。つくらんにした
J09_0525B24: かひて。みな往生のために廻向すへしといふ意也。
J09_0525B25: この心金剛のことくして。あらぬさとりの人にをし
J09_0525B26: へられて。かれこれに廻向する事なかれといふ也。
J09_0525B27: 金剛はいかにもやふれぬものなれは。たとへにとり
J09_0525B28: てこの心をもて廻向發願してむまると申也。三心の
J09_0525B29: ありさまあらあらかくのことし。この三心を具すれは
J09_0525B30: かならす往生す。もし一心もかけぬれはむまるる事
J09_0525B31: をえすと。善導は釋し給ひたれは。もともこの心を
J09_0525B32: 具足すへき也。しかるにかやうに申たつる時は。別
J09_0525B33: 別にして事事しきやうなれとも。意えとけばやすく
J09_0525B34: 具しぬへき心也。詮してはまことの心ありて。ふか

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