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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0524A01: みちみちて。光をかかやかし舌をのへて。煩惱罪惡
J09_0524A02: の凡夫。念佛して一定往生すといふ事ひが事なり。
J09_0524A03: 信すへからずとの給ふとも。それによりて。一念も
J09_0524A04: うたかふへからず。そのゆへは。佛はみな同心に衆
J09_0524A05: 生を引導し給に。すなはちまづ。阿彌陀佛淨土をま
J09_0524A06: うけて。願ををこしての給はく。十方衆生わが國に
J09_0524A07: むまれんとねかひて。わが名號をとなへんもの。も
J09_0524A08: しむまれすは。正覺をとらじとちかひ給へるを。釋
J09_0524A09: 迦佛この世界にいでで。衆生のためにかの佛の願を
J09_0524A10: とき給へり。六方恒沙の諸佛は。舌相を三千世界に
J09_0524A11: おほふて。虚言せぬ相を現して。釋迦佛の彌陀の本
J09_0524A12: 願をほめて。一切衆生をすすめて。かのほとけの名
J09_0524A13: 號をとなふれば。さためて往生すとの給へるは。决
J09_0524A14: 定にしてうたがひなき事也。一切衆生みなこの事を
J09_0524A15: 信すへしと證誠し給へり。かくのことく一切諸佛一
J09_0524A16: 佛ものこらず。同心に一切凡夫念佛して。决定して
J09_0524A17: 往生すへきむねをすめめ給へるうへには。いつれの
J09_0524B18: 佛の又往生せずとはの給ふへきぞといふことはりを
J09_0524B19: もて。佛きたりての給ふともおどろくへからずとは
J09_0524B20: 申す也。佛なをしかり。いはむや菩薩聲聞縁覺を
J09_0524B21: や。いかにいはんや凡夫をやと心えつれは。一度こ
J09_0524B22: の念佛往生を信してんのちは。いかなる人とかくい
J09_0524B23: ひさまたぐとも。うたかふ心あるへからずと申事な
J09_0524B24: り。これを深心とは申すなり
J09_0524B25: 三に廻向發願心とは。善導これを釋しての給はく。
J09_0524B26: 過去をよひ今生の。身口意業に修するところの。世
J09_0524B27: 出世の善根。をよひ他の一切の凡聖の。身口意業に
J09_0524B28: 修するところの世出世の善根を隨喜して。この自他
J09_0524B29: 所修の善根をもて。ことことく眞實深心の中に廻向
J09_0524B30: して。かのくににむまれんとねかふなり。かるが
J09_0524B31: ゆへに廻向發願心となづくる也。又廻向發願して。
J09_0524B32: むまれんと願はむものは。かならづ决定して。眞實心
J09_0524B33: の中に廻向して。むまるまま事をうる想をなす也。こ
J09_0524B34: の心ふかくして。なをし金剛のことくして。一切の

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