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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0521A01: て心を建。佛の敎に順して修行して。ながくうたか
J09_0521A02: ひをのぞきて。一切の別解別行。異學異見。異執の
J09_0521A03: ために。退失傾動せられされといへり。この釋の意
J09_0521A04: は。はしめにわが身の程を信して。のちにはほとけ
J09_0521A05: のちかひを信するなり。のちの信心のために。はし
J09_0521A06: めの信をはあくる也。そのゆへは。往生をねがはん
J09_0521A07: もろもろの人。彌陀の本願の念佛を申しながら。わ
J09_0521A08: が身に貪欲瞋恚の煩惱をもをこし。十惡破戒の罪惡
J09_0521A09: をもつくるにをそれて。みたりにわが身をかろしめ
J09_0521A10: てかへりてほとけの本願をうたがふ。善導はかねて
J09_0521A11: このうたがひをかかみて。二つの信心のやうをあげ
J09_0521A12: てわれらがごときの煩惱をもをこし。罪をもつくる
J09_0521A13: 凡夫なりとも。ふかく彌陀の本願をあふきて念佛す
J09_0521A14: れは。十聲一聲にいたるまで。决定して往生するむね
J09_0521A15: を釋し給へり。まことにはしめのわが身を信する樣
J09_0521A16: を釋し給はさりせは。われらが心ばへのありさまに
J09_0521A17: ては。いかに念佛申すともかのほとけの本願にかな
J09_0521B18: ひがたく。いま一念十念に往生するといふは。煩惱を
J09_0521B19: もをこさず。つみをもつくらぬめでたき人にてこそ
J09_0521B20: あるらめ。われらこときのともからにてはよもあら
J09_0521B21: しなど。身の程思ひしられて。往生もたのみかたき
J09_0521B22: まてあやうくおほえなましに。この二つの信心を釋
J09_0521B23: し給ひたる事は。いみじく身にしみておもふへき
J09_0521B24: 也。この釋を心えわけぬ人は。みなわが心のわろけ
J09_0521B25: れは。往生はかなはじなとこそは申あひたれ。その
J09_0521B26: うたかひをなすは。やがて往生せぬ心はへ也。此む
J09_0521B27: ねを意えて。なかくうたかふ心あるましき也。心の
J09_0521B28: 善惡をもかへり見づ。つみの輕重をも沙汰せず。た
J09_0521B29: た口に南無阿彌陀佛と申せは。佛のちかひにより
J09_0521B30: て。かならず往生するぞと。决定の心ををこすへき
J09_0521B31: 也。その決定の心によりて。往生の業はさだまる
J09_0521B32: 也。往生は不定におもへは不定也。一定とおもへは
J09_0521B33: 一定する事也。詮してはふかく佛のちかひをたのみ
J09_0521B34: て。いかなる過をもきらはず。一定むかへ給ぞと信

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