ウィンドウを閉じる

J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0520A01: には賢善精進の相を現して。内には虚假をいだく事
J09_0520A02: を得され。又内外明闇をきらはず。かならず眞實をも
J09_0520A03: ちゐるがゆへに至誠心となづくといへり。かるがゆ
J09_0520A04: へに至誠心ととかれたるは。すなはち眞實の心を云
J09_0520A05: なり。眞實といふは。身にふるまひ口にいひ心に思
J09_0520A06: はん事も。内むなしくして外をかざる心なきをいふ
J09_0520A07: なり。詮してはまことに穢土をいとひ淨土をねかひ
J09_0520A08: て。外相と内心と相應すへき也。ほかにはかしこき
J09_0520A09: 相を現して。うちには惡をつくり。外には精進の相
J09_0520A10: を現して。内には懈怠なる事なかれといふ意也。か
J09_0520A11: るがゆへにほかには賢善精進の相を現して。うちに
J09_0520A12: は虚假をいだく事なかれといへり。念佛を申さんに
J09_0520A13: つゐて。人目には六万七万申すと披露してまことに
J09_0520A14: はさ程も申さすや。又人のみるおりはたうとけにし
J09_0520A15: て。念佛申すよしを見え。人も見ぬところにては念
J09_0520A16: 佛申さずなどするやうなる心はへ也。されはとて。わ
J09_0520A17: ろからん事をもほかにあらはさんがよかるへき事に
J09_0520B18: てはなし。ただ詮するところは。まめやかにほとけの
J09_0520B19: 御意にかなはん事をおもひて。内にまことををこし
J09_0520B20: て。外相をは機嫌にしたがふへき也。機嫌にしたが
J09_0520B21: ふがよき事なれはとて。やがて内心のまこともやふ
J09_0520B22: るるまてふるまはは。又至誠心かけたる心になりぬ
J09_0520B23: へし。ただうちの心をまことにて。ほかをはとて
J09_0520B24: もかくてもあるへき也。かるがゆへに至誠心となつ
J09_0520B25: く。二に深心といは。すなはち善導釋しての給は
J09_0520B26: く深心といは。ふかく信する心也。これに二つあり。
J09_0520B27: 一には決定して。わか身はこれ煩惱を具足せる罪惡
J09_0520B28: 生死の凡夫也。善根薄少にして。曠劫よりこのかた
J09_0520B29: つねに三界に流轉して。出離の縁なしと。ふかく信
J09_0520B30: すへし。二には。ふかくかの阿彌陀佛。四十八願を
J09_0520B31: もて衆生を攝取し給ふ。すなはち名號をとのふる事。
J09_0520B32: 下十聲にいたるまて。かのほとけの願力に乘して。
J09_0520B33: さためて往生を得と信して。乃至一念もうたかふ心
J09_0520B34: なきがゆへに深心となづく。又深心といは。决定し

ウィンドウを閉じる