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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0514A01: もたがひて。信心はかけぬるにてあるへき也。いか
J09_0514A02: に誠を至すといふともからも。造惡の凡夫の身の。己
J09_0514A03: がちからにて往生を成就せんほとのことはいかでか
J09_0514A04: 侍るへき。ただ本願の不思議にて往生はし侍るへけ
J09_0514A05: れ。さやうに誠もふかくよからん人のためには。かく
J09_0514A06: あなからに不思議の本願ををこし給ふべきにあら
J09_0514A07: ず。この道理を存して。まことしく專修念佛の一行
J09_0514A08: にいる人はよにありかたき也。されは曇鸞法師は智
J09_0514A09: 惠高遠なりといへとも。四論の講説をすててひとへ
J09_0514A10: に往生の業を修して。一向にもはら彌陀を念じ。相
J09_0514A11: 續無間にして現に往生し給へり。道綽もまた講説を
J09_0514A12: やめて念佛を修し。善導は雜修をきらひて專修をつ
J09_0514A13: とめ給ひき。又道綽禪師のすすめによりて并州の三
J09_0514A14: 縣の人。七歳已後一向に念佛を修せしといへり。しか
J09_0514A15: れば。わが朝の末法の衆生。なんぞあなかちに雜修
J09_0514A16: をこのまむや。ただすみやかに彌陀如來の願。釋迦如
J09_0514A17: 來の説。道綽善導の釋をまなぶへし。雜修をして極
J09_0514B18: 樂の果を不定にせんよりは。專修の業を行して往生
J09_0514B19: ののそみを决定すべきなり。かの道綽善導等は。念
J09_0514B20: 佛門の人ひとなれば左右にをよぶべからず。法相宗
J09_0514B21: にをきても。慈恩大師の西方要决にいはく。末法万
J09_0514B22: 年餘經悉滅彌陀一敎利物偏增と釋し給へり。又おな
J09_0514B23: しき書にいはく。三空九斷之文十地五修之敎生期分
J09_0514B24: 促死路非遙不如息多聞之廣業專念佛之單修とい
J09_0514B25: へり。しかのみならす又大聖竹林寺の記にいはく。
J09_0514B26: 五臺山竹林寺の大講堂の中にして。普賢文殊東西に
J09_0514B27: 對座して。もろもろの衆生のために妙法をとき給ふ
J09_0514B28: 時。法照禪師ひさまつきて文殊に問たてまつりき。
J09_0514B29: 未來惡世の凡夫いつれの法ををこなひてか。ながく
J09_0514B30: 三界をいてて淨土にむまるる事をうべきと。文殊こ
J09_0514B31: たへての給はく。往生淨土のはかりこと。彌陀の名號
J09_0514B32: にすぎたるはなく。頓證菩提のみち。ただ稱念の一
J09_0514B33: 門にあり。これによて釋迦一代の聖敎に。おほくほ
J09_0514B34: むるところみな彌陀にあり。いかにいはんや未來惡

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