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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0493A01: 侍る也。かやうの分別は。此ついてには事ながけれ
J09_0493A02: ば起行の下にてこまかに申ひらくべし。又ひくとこ
J09_0493A03: ろの疏の文を見るに。後の信心につゐて二つの心あ
J09_0493A04: り。即佛につゐてふかく信し。經につゐてふかく信
J09_0493A05: すべきむねを釋し給へるにやと意得らるる也。まづ
J09_0493A06: ほとけにつゐて信すといは。一には彌陀の本願を信
J09_0493A07: し。二には釋迦の所説を信し。三には十方恒沙の證
J09_0493A08: 勸を信すへき也。經につゐて信すといは。一には無
J09_0493A09: 量壽經を信し。二には觀經を信し。三には阿彌陀經
J09_0493A10: を信するなり。すなはちはしめに决定してふかく阿
J09_0493A11: 彌陀佛の四十八願といへる文は。彌陀を信し。又無
J09_0493A12: 量壽經を信する也。つきに又决定してふかく釋迦佛
J09_0493A13: の觀經といへる文は。釋迦を信し。觀經を信するな
J09_0493A14: り。つきに决定してふかく彌陀經の中といへる文
J09_0493A15: は。十方諸佛を信し。又阿彌陀經を信する也。又つ
J09_0493A16: きの文に。佛の捨しめ給はんをはすてよといふは。
J09_0493A17: 雜修雜行なり。ほとけの行せしめ給はん事をは行せ
J09_0493B18: よといふは。專修正行也。ほとけの去しめたまはん
J09_0493B19: 事をはされといふは。異學異解雜縁亂動の處なり。
J09_0493B20: 善導の。みつからもさへ他の往生の正行をもさふと
J09_0493B21: 釋し給へる事。まことにをそるべき物なり。又佛敎
J09_0493B22: に隨順すといは。釋迦の御をしへにしたかひ。佛願
J09_0493B23: に隨順すといは。彌陀の願にしたかふ也。佛意に隨
J09_0493B24: 順すといは。二尊の御意にかなふなり。いまの文
J09_0493B25: の意はさきの文に。三部經を信すべしといへるにた
J09_0493B26: かはす。詮してはたた雜修をすてて。專修を行する
J09_0493B27: が。ほとけの御意にかなふとこそはきこえたれ。又
J09_0493B28: つきの文に。別解別行のためにやぶられされといふ
J09_0493B29: は。解異に行異ならん人の。難じやふらんにつゐ
J09_0493B30: て。念佛をもすて。往生をもうたかふ事なかれと申
J09_0493B31: す也。さとりことなる人と申すは。天台法相等の諸
J09_0493B32: 宗の學生これなり。行ことなる人と申すは。眞言止
J09_0493B33: 觀等の一切の行者是なり。これらはみな聖道門の解
J09_0493B34: 行也。淨土門の解行にことなるかゆへに。別解別行

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