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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0494A01: とはなつけたり。かくのこときの人に。いひやぶら
J09_0494A02: るましきことはりは。此文のつぎにこまかに釋し給
J09_0494A03: へり。すなはち人につきて信をたて。行につきて信
J09_0494A04: をたつといふ二の信をあげたり。はしめの人につ
J09_0494A05: きて信をたつといへるこれなり。その文廣博にして
J09_0494A06: つふさに出すことあたはす。しかれともその義至要
J09_0494A07: にしてまたすてがたきによりて。ことはを畧し意を
J09_0494A08: とりてそのをもむきをあかさは。解行不同の人あり
J09_0494A09: て。經論の證據ををひきて。一切の凡夫往生するこ
J09_0494A10: とをえすといはは。すなはちこたえていへ。なんぢ
J09_0494A11: かひくところの經論を信せさるにはあらす。みな
J09_0494A12: ことことくあふひて信すといへとも。さらになんぢ
J09_0494A13: か破をはうけず。そのゆへは。なんぢかひくところ
J09_0494A14: の經論と。わか信するところの經論と。すてに各
J09_0494A15: 別の法門なり。ほとけ此觀經彌陀經等をとき給ふ
J09_0494A16: 事。時も別にところも別に對機も別に利益も別なり。
J09_0494A17: 佛の説敎は。機にしたかひ。時にしたかひて不同な
J09_0494B18: り。かれは通して人天菩薩の解行をとき。是は別し
J09_0494B19: て往生淨土の解行をとく。即佛の滅後の。五濁極增
J09_0494B20: の一切の凡夫。决定して往生する事をうととき給へ
J09_0494B21: り。われいま一心に此佛敎によりて。决定して奉行
J09_0494B22: す。たとひなんぢ百千万億ありてむまれずといふと
J09_0494B23: も。たたわか往生の信心を增長し成就せんとこたへ
J09_0494B24: よといへり。又行者さらに難破の人にむかひてとき
J09_0494B25: ていへ。なんちよくきけ。われいまなんちかため
J09_0494B26: に。さらに决定の信相をとかんといひて。はしめは
J09_0494B27: 地前菩薩及羅漢辟支佛等より。をはり化佛報佛まで
J09_0494B28: たてあけて。たとひ化佛報佛十方にみちみちて。を
J09_0494B29: のをのひかりをかがやかし。したをいだして十方に
J09_0494B30: おほひて。一切の凡夫念佛して一定往生すといふ事
J09_0494B31: は。ひが事なり信すへからすとの給はんに。われこ
J09_0494B32: れらの諸佛の所説をきくとも。一念も疑退の心をを
J09_0494B33: こして。かの國にむまるる事をえさらん事ををそれ
J09_0494B34: じ。なにをもてのゆへにとならは。一佛は一切佛也。

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