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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0492A01: 生善知識急勸專稱彼佛名化佛菩薩尋聲到一念傾心入
J09_0492A02: 寳蓮といへるは。臨終の時の行相をあかす也又雙卷
J09_0492A03: 經のおくに。三寶滅盡の後の衆生。乃至一念に往生
J09_0492A04: すととかれたり。善導釋していはく。万年三寶滅此
J09_0492A05: 經住百年爾時聞一念皆當得生彼といへり。此二
J09_0492A06: つの意をもて。彌陀の本願のひろく攝し。とをくを
J09_0492A07: よふほとをはしるへき也。重をあげて輕をおさめ。
J09_0492A08: 惡人をあけて善人をおさめ。遠きをあけて近きをお
J09_0492A09: さめ。後をあけて前をおさむるなるへし。まことに
J09_0492A10: 大悲誓願の深廣なる事たやすく言をもてのふへから
J09_0492A11: す。心をととめておもふへき也抑此ころ末法にいれ
J09_0492A12: りといへとも。いまた百年にみたず。われら罪業を
J09_0492A13: もしといへとも。いまた五逆をつくらす。しかれは
J09_0492A14: はるかに百年法滅ののちをすくひ給へり。いはんや
J09_0492A15: 此ころをや。ひろく五逆極重のつみをすて給はす。
J09_0492A16: いはんや十惡のわれらをや。たた三心を具して。も
J09_0492A17: はら名號を稱すへし。たとひ一念といふともみだり
J09_0492B18: に本願をうたかふ事なかれ。たたしかやうのことは
J09_0492B19: りを申つれはつみをもすて給はねは。心にまかせて
J09_0492B20: つみをつくらんもくるしかるまし。又一念にも一定
J09_0492B21: 往生すなれは。念佛はおほく申さずともありなん
J09_0492B22: と。あしく意うる人のいできてつみをはゆるし。念
J09_0492B23: 佛をは制するやうに申しなすが。返返もあさましく
J09_0492B24: 候也。惡をすすめ善をととむる佛法はいかかあるへ
J09_0492B25: き。されは善導は。貪瞋煩惱をきたしましへざれとい
J09_0492B26: ましめ。又念念相續していのちのをはらんを期とせ
J09_0492B27: よとをしへ。又日所作は五万六万乃至十万なととこ
J09_0492B28: そすすめ給ひたれ。たたこれは大悲本願の一切を攝
J09_0492B29: するなを十惡五逆をももらさす。稱名念佛の餘行に
J09_0492B30: すぐれたる。すてに一念十念にあらはれたるむねを
J09_0492B31: 信せよと申すにてこそあれ。かやうの事はあしく意
J09_0492B32: うれは。いつかたもひが事になる也つよく信ずるか
J09_0492B33: たをすすむれは邪見ををこし。邪見ををこさせしと
J09_0492B34: こしらふれは。信心つよからすなるが術なき事にて

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