浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0489A01: | せる凡夫なり。善根薄少にして。三界に流轉して。 |
J09_0489A02: | 火宅をいてすと信知して。いま彌陀の本弘誓願の名 |
J09_0489A03: | 號を穪する事。下十聲一聲にいたるまて。さためて |
J09_0489A04: | 往生する事をうと信知して。乃至一念もうたかふ心 |
J09_0489A05: | ある事なかれ。かるかゆへに深心となつくといへ |
J09_0489A06: | り。次に觀經の疏の文にいはく。二に深心といは。 |
J09_0489A07: | すなはちこれ深信の心なり。又二種あり。一には决 |
J09_0489A08: | 定して。ふかく自身は現に是罪惡生死の凡夫也。曠 |
J09_0489A09: | 劫より此かた常沒常流轉して。出離の縁ある事なし |
J09_0489A10: | と信せよ。二には决定してふかく彼阿彌陀佛の四十 |
J09_0489A11: | 八願をもて。衆生を攝受し給ふ事うたかひなくおも |
J09_0489A12: | んはかりなけれは。かの願力に乘して。さためて往 |
J09_0489A13: | 生する事をうと信し。又决定してふかく釋迦佛。こ |
J09_0489A14: | の觀經の三福九品定散二善をときて。かのほとけの |
J09_0489A15: | 依正二報を證讃して。人をして欣慕せしめ給ふ事を |
J09_0489A16: | 信し。又决定してふかく彌陀經の中に。十方恒沙の |
J09_0489A17: | 諸佛の。一切の凡夫决定してむまるる事をうと證勸 |
J09_0489B18: | し給へり。ねかはくは一切の行者。一心にたた佛語 |
J09_0489B19: | を信して身命をかへりみす。决定して依行じて。佛 |
J09_0489B20: | の捨しめ給はん事をは即すて。ほとけの行せしめ給 |
J09_0489B21: | はん事をは即行し。ほとけの去しめ給はんところを |
J09_0489B22: | は即され。これを佛敎に隨順し。佛意に隨順すとな |
J09_0489B23: | づけ。これを眞の佛弟子となつく。又深心を深信と |
J09_0489B24: | いは。决定して自心を建立して。敎に順して修行し |
J09_0489B25: | て。なかく疑錯をのぞきて。一切の別解別行。異學 |
J09_0489B26: | 異見異執のために。退失し傾動せられされといへ |
J09_0489B27: | り。わたくしに此二つの釋を見るに。文に廣略あ |
J09_0489B28: | り。言に同異ありといへともまづ二種の信心をたつ |
J09_0489B29: | る事は。そのおもむきこれひとつなり。すなはち二 |
J09_0489B30: | の信心といは。はしめにわか身は煩惱罪惡の凡夫 |
J09_0489B31: | 也。火宅をいです。出離の縁なしと信せよといひ。 |
J09_0489B32: | つきには决定往生すへき身なりと信して一念もうた |
J09_0489B33: | かふへからす。人にもいひさまたけらるへからずな |
J09_0489B34: | といへる。前後のこと葉相違して。意得がたきに似 |