ウィンドウを閉じる

J1370 一枚起請講説 法洲 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0236A01: 二示本願專修法唯一向に念佛すべし。
J09_0236A02: 第四手印爲證以兩手印
J09_0236A03: 第五總結淨土宗のと云より。所存を記し畢まで。
J09_0236A04: 第六年號月日御選號建曆二年正月廿三日源空御判
J09_0236A05: 第一縁起
J09_0236A06: 此書を講ずるに。大段六科ある内。第一の縁起段な
J09_0236A07: り。古語に曰洪鐘雖響必待扣方鳴といへる如。一
J09_0236A08: 切法の起るには必縁なくては起らぬなり。今此一枚
J09_0236A09: 起請の縁起を云はば。大師の御臨末に。勢觀源智上
J09_0236A10: 人の願に依て起れり。
J09_0236A11: 此勢觀上人と云は。備中守師盛朝臣の息。小松の
J09_0236A12: 内府重盛公の孫なり。平家沒落の後は。世の憚り
J09_0236A13: を恐れて。母儀これを隱しおかれけるを。生年十
J09_0236A14: 三歳の時。大師に進ず。大師これを慈鎭和尚に進
J09_0236A15: ぜられて。彼門室にて。出家を遂られたるが。幾
J09_0236A16: 程なく大師の禪室に歸叅し。常隨給仕し給へるこ
J09_0236A17: と。首尾十八ケ年に及びぬ。大師憐愍覆護他に異
J09_0236B18: にして。淨土の法門を敎示し。圓頓戒この人をも
J09_0236B19: ちて附屬し。道具本尊坊舍聖敎。殘る所なく相承
J09_0236B20: せられき
J09_0236B21: 斯く謹愼篤孝の勢觀上人。大師御遷化の砌に至りて。
J09_0236B22: 御遺訓の御願ありしは。何故ぞと云に。抑我元祖大
J09_0236B23: 師の本地は。極樂界の右脇の大士。智慧大勢至菩薩。
J09_0236B24: 此日本の衆生を化度せん爲に。美作國久米の南條稻
J09_0236B25: 岡の庄漆間の家に垂迹し。九歳にして發心。十五に
J09_0236B26: して叡山に登りて。皇圓の室に入り。三ケ年に三大
J09_0236B27: 部をわたり。十八歳にして。黑谷叡空上人の室に隱
J09_0236B28: 遁し。自宗他宗を研究し。一大藏經を通覽し給ふこ
J09_0236B29: と五遍。導師の御疏を八返披閲し給ひしに。第八遍
J09_0236B30: 目に。御疏の深意に悟入し。淨土他力の眞門を開き
J09_0236B31: 給へるが。四十三の御年なり。夫れより。弘通し給
J09_0236B32: ふ念佛往生の法門は。勝易の二義を備へたれば。上
J09_0236B33: は天子より。下も萬民に至る迄。此門より生死を解
J09_0236B34: 脱し。報土得生の人多き故。魔宮頻りに騷動し。法

ウィンドウを閉じる