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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0229A01: 玉ふも。寔に故ある事にこそ。爾らば吾儕。深く慙
J09_0229A02: 愧を懷きて。今此御遺訓を。决定往生の勝券なりと
J09_0229A03: 信受せば。實に大師の在世に出生し。直に大師の敎訓
J09_0229A04: を聽聞し。面り念佛往生の要義を。授記せらるるに異
J09_0229A05: ならず。異學異見。別解別行の人に破らるる事もな
J09_0229A06: く。稱名不退に相續して。决定往生の本懷を遂ん事。
J09_0229A07: 是此一紙の力用也。『さて又大師の敎勸さかんにし
J09_0229A08: て。この一向專修の門より。人おほく生死を出離し。
J09_0229A09: 極樂往生を遂るが故に。天魔競ひ來て。住蓮安樂は死
J09_0229A10: 刑にをこなはれ。南都北嶺のいきどをり。なをやま
J09_0229A11: ず。追追讒訴に及びて。弟子のとがを師匠の大師に
J09_0229A12: おほせて。すでに度縁をめし上させ。俗名を下させ
J09_0229A13: 給ひて。遠流の罪科に定め。藤井の元彥と號し。土
J09_0229A14: 佐の國へをもむき給ふ。大師の敎化を蒙る貴賤。往
J09_0229A15: 生の本懷をのぞむ道俗。なげきかなしむこと。たとへ
J09_0229A16: をとるにものなし。門弟等なげきあへる中に。法蓮
J09_0229A17: 房申されけるは。住蓮安樂は罪科せられぬ。上人の
J09_0229B18: 流罪はただ一向專修興行の故と。云云しかるに老邁の
J09_0229B19: 御身。遼遠の海波にをもむきましまさば。御命安全
J09_0229B20: ならし。我等恩顏を拜し。嚴旨をうけ給ることあるべ
J09_0229B21: からず。又師匠流刑の罪にふし給はば。のことと
J09_0229B22: まる門弟面目あらんや。且は勅命なり。一向專修の
J09_0229B23: 興行。ととむべきよし奏し給ひて。内内御化導有べ
J09_0229B24: くや侍らんと申されけるに。上人の給はく。流刑さ
J09_0229B25: らに恨みとすべからず。そのゆへは齡ひすてに八旬
J09_0229B26: にせまりぬ。たとひ同じ都に住すとも。娑婆の離別
J09_0229B27: ちかきにあるべし。たとひ山海をへだつとも。淨土
J09_0229B28: の再會なんぞ疑はん。又いとふといへども存するは
J09_0229B29: 人の身なり。おしむといへとも死するは人のいのち
J09_0229B30: なり。なんぞかならずしも所によらんや。しかの
J09_0229B31: みならず。念佛の興行。洛陽にして年ひさし。邊鄙
J09_0229B32: に赴きて田夫野人をすすめんこと。年來の本意なり。
J09_0229B33: しかれども時いたらずして。素意いまだはたさず。い
J09_0229B34: まことの縁によりて。年來の本意をとげんこと。すこぶ

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