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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0225A01: 宗の中にも。何某の知識は心經をも讀ませ。施餓鬼を
J09_0225A02: も修し。又は祈禱の爲に百萬遍をも勤め。現世安穩
J09_0225A03: にも回向して。後生善處を願求するこそ。誠に目出
J09_0225A04: 度き敎とこそ云ふべきに。一向往生の爲計りと。片
J09_0225A05: 向路なるは關通一流の勸めに。誑かされたる。偏局
J09_0225A06: 者と名をや立つらん早くそれを捨て。安やすと後世
J09_0225A07: 願ひ玉へと。一向專修をもどく事有んには。如何す
J09_0225A08: べき哉。實に其備へ無んば非ず。其時答て云ふべし。
J09_0225A09: 佗の知識の御敎の旨。尤も寬大にして信ずる人多く
J09_0225A10: 有べけれとも。我等は然らず。先夫に付て一の物語あ
J09_0225A11: り。爰に或人の父。正に死せんと欲するとき。一子に
J09_0225A12: 遺言して。我死して後は。汝一切母の命に背くべから
J09_0225A13: ず。若母の命を背かば。即ち我遺言に違背する也と云
J09_0225A14: て息絶たり。然るに此母一子を出家せさせんと云ふ。
J09_0225A15: 其子も母の命に順して。出家せんと云ふ。側より是
J09_0225A16: を止め妨る人あれば。何れに付べきや取どり區まち
J09_0225A17: の評議にして。决する事難し。其中多分は云ふ。設ひ
J09_0225B18: 出家を止るとも。是も親の遺跡なれば。世間を立る家
J09_0225B19: 督を繼べし。何の母に背くことかあらんと。偶孝道に
J09_0225B20: 志す人有て云く。其遺跡を建るは。父母を顯んか爲
J09_0225B21: ならずや。是父母に孝するなり。若夫父母に孝せん
J09_0225B22: と欲する者の。豈父母の遺言に違背せん耶。宜しく
J09_0225B23: 父母の命を守りて。早く出家入道すべし。何ぞ遺跡を
J09_0225B24: 建ることを須んと。今も亦其如く。持戒觀念。智解讀誦
J09_0225B25: 息災延命の祈禱念佛。兒女誑惑の一念義等皆云ふ。是
J09_0225B26: も亦佛法なり。何そ目出度念佛に非ずやと。時に一向
J09_0225B27: 專修の。偏局者有て云。汝既に目出度佛法とならば。
J09_0225B28: 我が唯願往生は。六方河沙の諸佛。舒舌三千の證誠
J09_0225B29: をなし。一宗の大祖身を棄。法を護り。遺訓の誓をた
J09_0225B30: つ。嗚呼佛法の目出度。爰に過たる者のあらん哉。必
J09_0225B31: 必誰誰も。ちと片向の路に趣き給へとよ。愚夫愚婦は
J09_0225B32: かく直に領納して。法門の善惡邪正は。少も論ぜず。
J09_0225B33: 御遺訓の通り。唯往生極樂の爲に。一向に念佛してゆ
J09_0225B34: るぎなきを。御遺誓の力用とは云ふ也。御遺訓の立信

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