浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0224A01: | を修し。大般若を讀。さまざまの祈禱を盡しけれど |
J09_0224A02: | も。さらにしるしなし。いざや祐天和尚をたのまん |
J09_0224A03: | とて。羽生村の三郞左衛門。庄右衛門をもてまねき |
J09_0224A04: | しかど。夏中法問の折なれば。かなひがたくて。和 |
J09_0224A05: | 尚をしへ給ふやう。そこ兩人行て。蠟燭一挺切に念 |
J09_0224A06: | 佛せよと聞えしかば。我我が念佛にて。いかでかか |
J09_0224A07: | かる惡靈退くべきやといへば。祐天汝が念佛と我念 |
J09_0224A08: | 佛と少しもかはらず。疑ふことなかれと。念頃に示し |
J09_0224A09: | 給ひけれは。次上に出す。阿波介か念佛と。源空か念佛と更に差別なしと。大師の敎示に依據し玉へり。兩人 |
J09_0224A10: | とくと得悟して。在所より同行十四五人いざなひ。 |
J09_0224A11: | かの村の者ども。相まじへ。五十人打より。敎のご |
J09_0224A12: | とく。一挺切の念佛勤めて。かへりしに。その曉。 |
J09_0224A13: | 兩人の方へ。病家より。病人只今起あがり。いか計 |
J09_0224A14: | の怨をもなさんと。おもひしに。はからざる貴き御 |
J09_0224A15: | 吊にて。成佛を遂侍りしと。云より本心になりしと |
J09_0224A16: | いひこしけりと。新著聞集。第十三の卷。往生篇に出たり此一事見捨がたくて附錄し侍る。さては |
J09_0224A17: | 自の爲は勿論。他の爲にも。一向稱名相續して。共 |
J09_0224B18: | に往生の本懷を遂玉へかし。專修行者。朝夕のつとめの惣回向の譯。亡者等の。別回向の品 |
J09_0224B19: | は。別錄あり見るべし。 |
J09_0224B20: | 第八力用門とは。力用とは何ぞや。いはく一枚起請 |
J09_0224B21: | 文。見聞のはたらきを云ふ。御遺誓の一紙を拜見し |
J09_0224B22: | 聽聞して。决定信知すれば。現世には心行不退の働 |
J09_0224B23: | きを成就し。當來には阿鞞跋致の位を得る事。唯此 |
J09_0224B24: | 一紙を信用するにあり。所詮後世者の安心は。歌一 |
J09_0224B25: | 首。紙一枚にすぎずといいし人も侍れば。愚夫愚婦の |
J09_0224B26: | 輩と云へとも。此一紙を眞實に見聞し。敎の如く信 |
J09_0224B27: | 受せば。則ち往生の機心行を决擇して。何なる異學 |
J09_0224B28: | 異見。別解別行の人の。敎導開諭にも。動亂破壞せ |
J09_0224B29: | られず。願行相續して。速に生死を得脱し。頓に極 |
J09_0224B30: | 樂に往生せん事。それ掌を指が如くならん。是此御 |
J09_0224B31: | 遺誓の力用也。爰に老尼有て上來梗槪八門の所説を |
J09_0224B32: | 聞て。一向專修の安心を定め。但信口稱の行者と成 |
J09_0224B33: | れり。しかる所に有縁の知識。或は親縁の。雜修雜 |
J09_0224B34: | 行の人等有て。妄に上の行者に反説して云ふ。淨土 |