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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0223A01: 必すしも死縁に依て。往生の得不を定むべからず。
J09_0223A02: 本願の信不に依て。往生の得不を决すべし。故に聲
J09_0223A03: につきて。决定往生の思ひをなせとの玉へり。是を
J09_0223A04: 則ち化佛菩薩尋聲到。衆生稱念必得往生の本願とは
J09_0223A05: 申也。又大師御往生の後。三井寺の住心房と申學生
J09_0223A06: ひじりの。夢のうちに問れしにあみた佛は全く風情
J09_0223A07: もなく。ただ申事也と答へられきと。向師もただ聲
J09_0223A08: を本願にまかせて。名號をとなふべきなりとの玉へ
J09_0223A09: り。又御傳に極樂のねがはしからず。念佛の申され
J09_0223A10: ざらんばかりは。往生のさはりなるべし。乃至相構へ
J09_0223A11: て願往生の心にて。念佛を相續すべきなりと。故に
J09_0223A12: 御遺訓に。たた往生極樂の爲には。南無阿彌陀佛と申
J09_0223A13: 外には。別の子細候はすと侍れば。産前産後の子細
J09_0223A14: を云はず。難産安産の子細をもいはず。宿感業報の
J09_0223A15: 子細を沙汰せず。宿善有無の子細をも沙汰せず。た
J09_0223A16: た申せは往生す。これをこそ大悲不簡擇の本願とは
J09_0223A17: 申らめ。返すかえす子細の沙汰に滯らず。往生せばや
J09_0223B18: と思ひ取て。南無阿彌陀佛と唱る人は。皆悉く御遺
J09_0223B19: 誓の。攝機なりとしるべし。
J09_0223B20: 附錄
J09_0223B21: 念佛往生は人に依ぬと云ふ事。自身願生は勿論なり。
J09_0223B22: 他の爲に回向するにも。修する人の善惡。修德の有
J09_0223B23: 無。道心の有無を論ずる事なき。現證を云はば常州
J09_0223B24: 松原村の嘉左衛門といへる百姓の妻は。美女にて。
J09_0223B25: 夫婦の中むつましかりし。しかるに妻病で死すべき
J09_0223B26: 時に。我なき跡にて。後妻をむかへ給ふな。何條さ
J09_0223B27: ることあらんと。ことばを誓ひ。互に涙をしぼり。か
J09_0223B28: き口説。終に身まかりにけり。漸く月日もすき去て。
J09_0223B29: 所の官より。妻なくてはかなはじとありけるぞ。樣
J09_0223B30: 樣いなみけるが。遁れがたくて。後の妻をとりむか
J09_0223B31: へし。その夜より亡妻の怨靈來りて。夫の首筋に抱
J09_0223B32: きつき。顏をさしのぞきける。その恨めしげなる粧
J09_0223B33: ひ。えもいひがたしと。身ふるひして。恐れをのの
J09_0223B34: き。正氣をうしなひ侍り。天台宗の事なれば。護摩

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