浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0217A01: | の釋に一切の女人。彌陀の妙願力に因ずは千劫萬劫。 |
J09_0217A02: | 恒沙等の劫を經ても。終に女身を轉する事を得ずと |
J09_0217A03: | 宣ふに。今若彌陀の佗力を聞て。女身を厭ひ。本願 |
J09_0217A04: | を信して稱名せば。産婦にまれ。石女にまれ。其誓 |
J09_0217A05: | 約をあやまたず。彌陀釋迦。諸佛。觀音勢至。諸大 |
J09_0217A06: | 菩薩。諸天善神の擁護。護念の來迎に預り。臨終正 |
J09_0217A07: | 念に。極樂國土に往生し。變成男子の姿を得て。十 |
J09_0217A08: | 地の願行自然に成就し。無上菩提に至らん事。何の |
J09_0217A09: | 疑かあらん。大師の宣はく。抑機をいへば。五逆重 |
J09_0217A10: | 罪をえらはず。女人闡提をすてず。行をいへは一念 |
J09_0217A11: | 十念をすてずこれによりて五障三從をうらむべから |
J09_0217A12: | ず。この願をたのみこの行をはげむべきなり。念佛 |
J09_0217A13: | の力にあらずは。善人なを生れがたし。况や惡人をや |
J09_0217A14: | と。誠に若有重業障無生淨土因乘彌陀願力 |
J09_0217A15: | 必生極樂と。又如此愚人稱南無阿彌陀佛於念 |
J09_0217A16: | 念中除八十億劫生死之罪即得往生と説せ玉へ |
J09_0217A17: | り。信空上人の曰く。先師上人あさゆふをしへられ |
J09_0217B18: | し事なり。ものをしらぬうへに道心もなくいたつら |
J09_0217B19: | にゆへなきことをいふなりさいはん口にてあみた佛を |
J09_0217B20: | 一念十念にても申せかしと候ひしなりと。唯唯南無 |
J09_0217B21: | 阿彌陀佛と唱へて。往生を待より外は。兎角の沙汰 |
J09_0217B22: | は皆無益なり。されは。餘事を閣て。いかなる者 |
J09_0217B23: | も申せば彼國へ必ず生るるぞと。思ひ込たる心より。 |
J09_0217B24: | 南無阿彌陀佛と唱る者は。皆御遺訓の攝機ならくの |
J09_0217B25: | み。其上婦女の其身其儘にて口押ひらき。聲打上て。 |
J09_0217B26: | 安やすと稱名相續せん。往生極樂の安心起行を決定 |
J09_0217B27: | し。多くの女人を速に。往生の本懷を遂させ玉ふこ |
J09_0217B28: | とは偏にこれ大師敎訓の慈恩也。常に尼女に向ひ玉 |
J09_0217B29: | ふ時勸めての玉はく。法華經弘通の比叡山は。五の |
J09_0217B30: | 障あれば。云何女身。速得成佛と。女人を結界して |
J09_0217B31: | 擯出せり。三密五智の高野山には。三從の罪深き女 |
J09_0217B32: | 人なれば。谷を堺ひて禁制す。其外高山靈塲には。 |
J09_0217B33: | 皆悉く女人を禁忌せり。是即法華經。及び眞言陀羅 |
J09_0217B34: | 尼。並に餘行諸善を以て、女人成佛叶ひ難き旨を。 |