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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0217A01: の釋に一切の女人。彌陀の妙願力に因ずは千劫萬劫。
J09_0217A02: 恒沙等の劫を經ても。終に女身を轉する事を得ずと
J09_0217A03: 宣ふに。今若彌陀の佗力を聞て。女身を厭ひ。本願
J09_0217A04: を信して稱名せば。産婦にまれ。石女にまれ。其誓
J09_0217A05: 約をあやまたず。彌陀釋迦。諸佛。觀音勢至。諸大
J09_0217A06: 菩薩。諸天善神の擁護。護念の來迎に預り。臨終正
J09_0217A07: 念に。極樂國土に往生し。變成男子の姿を得て。十
J09_0217A08: 地の願行自然に成就し。無上菩提に至らん事。何の
J09_0217A09: 疑かあらん。大師の宣はく。抑機をいへば。五逆重
J09_0217A10: 罪をえらはず。女人闡提をすてず。行をいへは一念
J09_0217A11: 十念をすてずこれによりて五障三從をうらむべから
J09_0217A12: ず。この願をたのみこの行をはげむべきなり。念佛
J09_0217A13: の力にあらずは。善人なを生れがたし。况や惡人をや
J09_0217A14: と。誠に若有重業障無生淨土因乘彌陀願力
J09_0217A15: 必生極樂と。又如此愚人稱南無阿彌陀佛於念
J09_0217A16: 念中除八十億劫生死之罪即得往生と説せ玉へ
J09_0217A17: り。信空上人の曰く。先師上人あさゆふをしへられ
J09_0217B18: し事なり。ものをしらぬうへに道心もなくいたつら
J09_0217B19: にゆへなきことをいふなりさいはん口にてあみた佛を
J09_0217B20: 一念十念にても申せかしと候ひしなりと。唯唯南無
J09_0217B21: 阿彌陀佛と唱へて。往生を待より外は。兎角の沙汰
J09_0217B22: は皆無益なり。されは。餘事を閣て。いかなる者
J09_0217B23: も申せば彼國へ必ず生るるぞと。思ひ込たる心より。
J09_0217B24: 南無阿彌陀佛と唱る者は。皆御遺訓の攝機ならくの
J09_0217B25: み。其上婦女の其身其儘にて口押ひらき。聲打上て。
J09_0217B26: 安やすと稱名相續せん。往生極樂の安心起行を決定
J09_0217B27: し。多くの女人を速に。往生の本懷を遂させ玉ふこ
J09_0217B28: とは偏にこれ大師敎訓の慈恩也。常に尼女に向ひ玉
J09_0217B29: ふ時勸めての玉はく。法華經弘通の比叡山は。五の
J09_0217B30: 障あれば。云何女身。速得成佛と。女人を結界して
J09_0217B31: 擯出せり。三密五智の高野山には。三從の罪深き女
J09_0217B32: 人なれば。谷を堺ひて禁制す。其外高山靈塲には。
J09_0217B33: 皆悉く女人を禁忌せり。是即法華經。及び眞言陀羅
J09_0217B34: 尼。並に餘行諸善を以て、女人成佛叶ひ難き旨を。

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