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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0216A01: とかく論じけるを上人きき給ひて。魚くふもの往生
J09_0216A02: せんには。鵜ぞせんずる。魚くはぬもの往生せんに
J09_0216A03: は。猿ぞせんする。くふにもよらず。くはぬにもよ
J09_0216A04: らず。ただ南無あみた佛と申もの往生はするぞと。
J09_0216A05: 源空はしりたるなりと。此所を能呑込て。唯念佛申
J09_0216A06: もの往生することを必至と心得へし。さればとて。念
J09_0216A07: 佛申者は。如何樣放逸にても。苦しからずと云ふに
J09_0216A08: 非ず。左樣に心得てん者は。如何に念佛申とも惡無
J09_0216A09: 過の邪見なるが故に。往生すべからず。世間出世の
J09_0216A10: 因果を破りては。佛法立へからず。上の法語を依據
J09_0216A11: として。往生は食にもよらずとて。魚を食は。是非
J09_0216A12: 理作意なり。くうにもよらず。くはぬにも依らずと云
J09_0216A13: は。唯其くうくはぬは。別段のことにして。往生は
J09_0216A14: 只念佛にてするぞと云事を云はんが爲なり。在家も
J09_0216A15: 往生すればとて。出家に在家の眞似せよと云ふには
J09_0216A16: 非ず。在家は在家ながら。出家は出家ながらにて。
J09_0216A17: 念佛して往生す。是本願の十方衆生の句にして。大
J09_0216B18: 師の其身がらを改めずに。申して往生するぞと仰ら
J09_0216B19: れし所也。是の如く攝機門を立るとき。更に漏る者な
J09_0216B20: く。蜎飛蠕動の類までも。十方衆生に攝せらるる。
J09_0216B21: 不簡擇の本願こそ。世に有難く覺ゆれ。『されは人間
J09_0216B22: たる女身の。爭か十方衆生の誓ひに漏る事あらんや。
J09_0216B23: 既に五障三從の障り重くて。三世諸佛に捨はてられ。
J09_0216B24: 十方淨土にも擯出せられたるを。彌陀獨り愍み玉ひ。
J09_0216B25: 第三十五の本願を。女人の爲に建玉へり。如何なる
J09_0216B26: 如來の大悲なればか。此重障の者を。偏に哀れみ玉
J09_0216B27: ふらん。されば男子は。一の願に乘ずるに。女人は
J09_0216B28: 二の願に乘ずれば。往生の方計りは。女人こそ卻て
J09_0216B29: 浦山しけれと。本より阿彌陀如來は。女人成佛の本
J09_0216B30: 尊なるを。動もすれは。産死石女の如きは。假令何
J09_0216B31: 程念佛すとも。死すれは血池地獄に墮ち。燈心をも
J09_0216B32: て。竹の根を掘るぞと云はば。是甚しき誑語なり。
J09_0216B33: 邪説なり。傷むべし悲むべし。是等は本願唯稱不簡
J09_0216B34: 擇の大悲を知らずして。人を誑惑する妄説也。導師

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