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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0213A01: もなかりつるほどに。こひかなしみ給ふ御心。さぞ
J09_0213A02: やるかたもなくおぼしめしけん。しかるに我等いま。
J09_0213A03: 本家をおもひいでで。はじめて父の名をよばひたち
J09_0213A04: ぬ。このなむあみだ佛のこゑを。聞しめしつけぬる
J09_0213A05: よろこひ。またをきどころなくおぼしめすべし。さ
J09_0213A06: れば十萬億土のみちを中にして。毎日に千返まて行
J09_0213A07: 者のところにはきたり給らん。やうこそかはれ。か
J09_0213A08: しこきさとりある心までも。なを子を思ふみちには。
J09_0213A09: まよふなりけりと。誠に尊辨僧正の爲には。唯此懸
J09_0213A10: 子こそ親子對面の媒にて侍れば。是こそ至て大切な
J09_0213A11: れ。我等が至切の珍寳は。彼戰塲の身方の語に山と
J09_0213A12: 問は河と答ふ樣に。南無阿彌陀佛と唱れば。必生我國
J09_0213A13: の。還念の相圖言をしるべにて。父子相迎の媒にては
J09_0213A14: ある也。『法照禪師の五會讃に。彼佛因中立弘誓聞
J09_0213A15: 名念我惣迎來不簡貧窮將富貴不簡下智與高
J09_0213A16: 才不簡多聞持淨戒不簡破戒罪根深但使廻心
J09_0213A17: 多念佛能令瓧礫變成金といへるは。持戒も。破戒
J09_0213B18: も。機のよしあしは更にもいはず。但南無阿彌陀佛
J09_0213B19: と唱れば石瓧を變して。金となす如くに。往生成佛
J09_0213B20: するもの也。さる程に天子のいつくしき。玉の冠
J09_0213B21: を西にかたふけ。月卿のかしこき。金の笏を東にた
J09_0213B22: だしくす。皇后のこびたる。韋提夫人のあとををひ。
J09_0213B23: 傾城のことんなき。五百侍女のよそほひをまなぶ。
J09_0213B24: しかるあひだ。とめるば。をごりてもてあそび。ま
J09_0213B25: づしきはなげきてともとす。農夫がすきをふむ。念
J09_0213B26: 佛をもて田うたとし。織女がいとをひく。念佛をも
J09_0213B27: てたてぬきとす。鈴をならす驛路には。念佛を唱へ
J09_0213B28: て鳥をとり。船はたをたたく海上には。念佛をとな
J09_0213B29: へて魚をつる雪月華を見る人は。西樓に目をかけ。
J09_0213B30: 琴詩酒をもてあそぶともがらは。西の枝の梨子をお
J09_0213B31: る。これみな彌陀をあがめざるをば瑕瑾とし。珠數
J09_0213B32: をくらざるをば耻辱とす。ここをもて華族英才なり
J09_0213B33: といへども。念佛せざるをはおとしめ。乞匈非人な
J09_0213B34: りといへども。念佛するをばもてなすと。是皆能令

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