浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0210A01: | をこそ。木かくれの外は小草の末葉なる露ものこさ |
J09_0210A02: | す宿る月影と『且く大悲深密の一義を以て勸進せば。 |
J09_0210A03: | 我本師阿彌陀如來。因位極愛一子地聖種性也に於て。超世 |
J09_0210A04: | の別願を發し玉へり。されば一子の愛は無二なり。 |
J09_0210A05: | 無二は平等なり。平等とは不簡擇也。無量壽大經に。 |
J09_0210A06: | 佛言我哀愍汝等諸天人民甚於父母念子。と又 |
J09_0210A07: | 曰爲諸庶類作不請之友荷負群生爲之重擔 |
J09_0210A08: | 乃至以不請之法施諸黎庶如純孝之子愛敬父母 |
J09_0210A09: | 於諸衆生視若自己と念佛の行者をば。本尊の方 |
J09_0210A10: | より。戀慕ひて。護念し玉ふ事。孝子の父母を愛敬 |
J09_0210A11: | するが如く。極愛一子の思ひは。自己を見るが如く |
J09_0210A12: | ぞと。重て同躰の大悲を喩へ顯し玉ふ。實に平等大 |
J09_0210A13: | 悲。極愛一子地に於て。建立し玉へる。念佛往生の |
J09_0210A14: | 本願也。其本願の名號を唱ふる行者なれば。念佛の |
J09_0210A15: | 行者の功德と。阿彌陀の功德と。彼此の三業不相捨 |
J09_0210A16: | 離とて。全く同ふして更に替りめ有べからず。最有 |
J09_0210A17: | 難き事に非ずや。さればこそ。至極大乘の意は。體 |
J09_0210B18: | の外に名なく。名の外に體なし。萬善の妙躰は。名 |
J09_0210B19: | 號の六字に即し。恒沙の功德は。口稱の一行に備ふ |
J09_0210B20: | と。爰を以て我等が唱ふる度毎に。應聲即現とて。 |
J09_0210B21: | 來應愍念。隨逐擁護し玉ふ事。影と形との如く。露 |
J09_0210B22: | と月とに異ならず。一立古今然の淨土に。一座無移 |
J09_0210B23: | 亦不動なれば如來の方に作意搆造はなけれとも。本 |
J09_0210B24: | 願任運。法爾道理にて。菩薩聖衆の來迎をも感じ。 |
J09_0210B25: | 異香紫雲の瑞相をも顯して。往生する事。南無阿彌 |
J09_0210B26: | 陀佛に。備りたる不思議の玅用也。されば行者の方 |
J09_0210B27: | に於ても。作意造作の思慮分別をからず。唯口に任 |
J09_0210B28: | せて。南無阿彌陀佛と唱へ居たれは死生共に煩ひな |
J09_0210B29: | きは。本是願王。同躰大悲の玅行。天然自然の爾ら |
J09_0210B30: | しむる所なり。念佛の行者を。攝取愍念し玉ふ。御 |
J09_0210B31: | 心の深底を顯して。視若自己とは説せ給ふらめ。然 |
J09_0210B32: | る事は。隔ある而二の談に似たれとも。義に約し理 |
J09_0210B33: | に據に。其實は南無阿彌陀佛と唱る行者の當體。即 |
J09_0210B34: | 是とりもなをさず。名躰不離の阿彌陀なり。さて |