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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0208A01: さはりにてはあるべけれと。又念佛にいさみある人
J09_0208A02: は。無量のさとりをひらくべき人なり。念佛にもの
J09_0208A03: うき人は。無邊のたからをうしなふべき人なり。あ
J09_0208A04: ひかまへて願往生の心にて。念佛を相續すべしとの
J09_0208A05: 玉ひ。向阿上人もただしえらぶところは。わがくに
J09_0208A06: にうまれんとおもふて。名號をとなへんものをと侍
J09_0208A07: れば。往生のねがはしからず。念佛の申されざらん
J09_0208A08: 心をば。いか程もあらためずしては。かなふまじか
J09_0208A09: めると。誠や大悲の本願は。明王之任人如巧匠制
J09_0208A10: 木直者以爲轅曲者以爲輪長者以爲棟梁短者以
J09_0208A11: 爲楶梲これ彌陀の悲願には。漏るもの有る事なし
J09_0208A12: と云ふに比て見ん。上は十地の大聖を攝し。下は五
J09_0208A13: 逆十惡。具諸不善の罪人劫末三災の時。人壽十歳の
J09_0208A14: 衆生迄も。彌陀一敎利物偏增の謂れ虚しからず。爾
J09_0208A15: 時聞一念皆當得生彼。の巨益を蒙る事。併らた
J09_0208A16: だ我宗に止れり。是を以て平等大悲。不簡擇攝取の
J09_0208A17: 本願とは申す也。大師の宣く。十方衆生の願の中に
J09_0208B18: は。有智無智有罪無罪。善人惡人。持戒破戒。男子
J09_0208B19: 女人。乃至三寳滅盡の。後の百歳のあいだの衆生まで
J09_0208B20: もるることなし。乃至他力本願の案内をしらざる人は
J09_0208B21: 機をうたがひて往生せざるなりと。又蓮生法師へ遣
J09_0208B22: はさるる。御消息に此御文正しく大師の眞跡。天子の寳庫に在り。予去る延享三寅の九月十七日。本山淸
J09_0208B23: 淨華院に於て。親く拜見し奉る。依て抄出しぬ。淨土宗の肝心。このたびかならず
J09_0208B24: かならず往生し候ことは人にはよらず候。たれたれも唯申
J09_0208B25: せばたすかるとばかりこころえて。世にたぐひなき
J09_0208B26: 惡人なれども。南無阿彌陀佛ととなへゐれば一念に
J09_0208B27: ても决定往生とげ候なり。此外に別に心得候へば。
J09_0208B28: 往生しそこなひ候と。示し玉へり。慈鎭和尚の。閑
J09_0208B29: 居友下の卷に云。近き程の事にや。東山なる聖のも
J09_0208B30: とに。あやしのげす女の。とし廿二三斗りなる。世
J09_0208B31: ここちにわづらひてふせるありけり。ひまなく念佛
J09_0208B32: をぞ申ける。房の主もことさまより。あはれに思ひけ
J09_0208B33: る。さてある夕さりにいふやう。われはこよひとら
J09_0208B34: の時に死侍らんずる也。火などをけち給はでよくま

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