浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0208A01: | さはりにてはあるべけれと。又念佛にいさみある人 |
J09_0208A02: | は。無量のさとりをひらくべき人なり。念佛にもの |
J09_0208A03: | うき人は。無邊のたからをうしなふべき人なり。あ |
J09_0208A04: | ひかまへて願往生の心にて。念佛を相續すべしとの |
J09_0208A05: | 玉ひ。向阿上人もただしえらぶところは。わがくに |
J09_0208A06: | にうまれんとおもふて。名號をとなへんものをと侍 |
J09_0208A07: | れば。往生のねがはしからず。念佛の申されざらん |
J09_0208A08: | 心をば。いか程もあらためずしては。かなふまじか |
J09_0208A09: | めると。誠や大悲の本願は。明王之任人如巧匠制 |
J09_0208A10: | 木直者以爲轅曲者以爲輪長者以爲棟梁短者以 |
J09_0208A11: | 爲楶梲これ彌陀の悲願には。漏るもの有る事なし |
J09_0208A12: | と云ふに比て見ん。上は十地の大聖を攝し。下は五 |
J09_0208A13: | 逆十惡。具諸不善の罪人劫末三災の時。人壽十歳の |
J09_0208A14: | 衆生迄も。彌陀一敎利物偏增の謂れ虚しからず。爾 |
J09_0208A15: | 時聞一念皆當得生彼。の巨益を蒙る事。併らた |
J09_0208A16: | だ我宗に止れり。是を以て平等大悲。不簡擇攝取の |
J09_0208A17: | 本願とは申す也。大師の宣く。十方衆生の願の中に |
J09_0208B18: | は。有智無智有罪無罪。善人惡人。持戒破戒。男子 |
J09_0208B19: | 女人。乃至三寳滅盡の。後の百歳のあいだの衆生まで |
J09_0208B20: | もるることなし。乃至他力本願の案内をしらざる人は |
J09_0208B21: | 機をうたがひて往生せざるなりと。又蓮生法師へ遣 |
J09_0208B22: | はさるる。御消息に此御文正しく大師の眞跡。天子の寳庫に在り。予去る延享三寅の九月十七日。本山淸 |
J09_0208B23: | 淨華院に於て。親く拜見し奉る。依て抄出しぬ。淨土宗の肝心。このたびかならず |
J09_0208B24: | かならず往生し候ことは人にはよらず候。たれたれも唯申 |
J09_0208B25: | せばたすかるとばかりこころえて。世にたぐひなき |
J09_0208B26: | 惡人なれども。南無阿彌陀佛ととなへゐれば一念に |
J09_0208B27: | ても决定往生とげ候なり。此外に別に心得候へば。 |
J09_0208B28: | 往生しそこなひ候と。示し玉へり。慈鎭和尚の。閑 |
J09_0208B29: | 居友下の卷に云。近き程の事にや。東山なる聖のも |
J09_0208B30: | とに。あやしのげす女の。とし廿二三斗りなる。世 |
J09_0208B31: | ここちにわづらひてふせるありけり。ひまなく念佛 |
J09_0208B32: | をぞ申ける。房の主もことさまより。あはれに思ひけ |
J09_0208B33: | る。さてある夕さりにいふやう。われはこよひとら |
J09_0208B34: | の時に死侍らんずる也。火などをけち給はでよくま |