浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0207A01: | 圓光大師御遺訓一枚起請文梗概聞書下 |
J09_0207A02: | |
J09_0207A03: | 第七攝辨門とは。今此敎へは。萬機を捨ざる也。こ |
J09_0207A04: | れを辯ずるに。先惣して攝取不捨の義を解し。別し |
J09_0207A05: | て大悲深密の義を談ぜん。凡そ何れの宗。何れの敎 |
J09_0207A06: | にも。萬機を攝すといへとも。皆是有名無實の漢な |
J09_0207A07: | らんかし。眞修行の人は心を空くして。審察すへし。 |
J09_0207A08: | 一時の慠慢によりて。永劫の沈淪を致す事なかれ。彼 |
J09_0207A09: | 聖道門の中に。五逆の調達を指して。三菩提の記莂を |
J09_0207A10: | 授けしが如きは。先は機を嫌はぬ法なめりと賴母し |
J09_0207A11: | けれとも。僧那を始心に結び。玅觀を十乘に凝さし |
J09_0207A12: | むるに至ては。發心修行。更に下根の及ふ所に非ざ |
J09_0207A13: | るが故に。終に機を擇ふ敎に成ぬと。是故に大師の |
J09_0207A14: | 曰。淨土一宗の諸宗にこえ。念佛一行の諸行にすく |
J09_0207A15: | れたりといふことは。萬機を攝するかたをいふなり理 |
J09_0207A16: | 觀菩提心。讀誦大乘。眞言止觀。いづれも佛法のを |
J09_0207A17: | ろそかにましますにはあらず。みな生死滅度の法な |
J09_0207B18: | り。しかれども。末代になりぬれば。機が及はねば。 |
J09_0207B19: | ちからおよばす。行者の不法なるによりてなり。時 |
J09_0207B20: | をいへは末法萬年の後。餘敎悉滅。人壽十歳のとき |
J09_0207B21: | まで。罪をいへは十惡五逆の罪人までなり。老少男 |
J09_0207B22: | 女のともがら。一念十念のたぐひにいたるまで。み |
J09_0207B23: | なこれ攝取不捨のちかいにこもれるなり。このゆへ |
J09_0207B24: | に諸宗にこえ。諸行にすぐれたりといふなりと。 |
J09_0207B25: | 爾れは往生願はしくて。口に南無阿彌陀佛と唱る程 |
J09_0207B26: | の人は。皆此起請文所被の機なるべし。本願の行躰 |
J09_0207B27: | 即是南無阿彌陀佛也。記主御釋南無阿彌陀佛の外に。本願 |
J09_0207B28: | なければ也。彼鷄天上に鳴。犬雲間に吠と云ひしも。 |
J09_0207B29: | 神仙傳出これ機を簡擇せぬに喩へつべし。唯仙藥を甞たる |
J09_0207B30: | 迄にて。禽獸も天に登り。ただ口に唱へたる計りに |
J09_0207B31: | て。凡夫も淨土に生る。何んの煩しき事か有んや。 |
J09_0207B32: | 但し願孤行孤所至なし。願行具足决定往生とは。鎭 |
J09_0207B33: | 流の正勸正意也。故に大師の定言に。極樂のねがは |
J09_0207B34: | しくもなく。念佛の申されざらんことのみぞ。往生の |