ウィンドウを閉じる

J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0207A01: 圓光大師御遺訓一枚起請文梗概聞書下
J09_0207A02:
J09_0207A03: 第七攝辨門とは。今此敎へは。萬機を捨ざる也。こ
J09_0207A04: れを辯ずるに。先惣して攝取不捨の義を解し。別し
J09_0207A05: て大悲深密の義を談ぜん。凡そ何れの宗。何れの敎
J09_0207A06: にも。萬機を攝すといへとも。皆是有名無實の漢な
J09_0207A07: らんかし。眞修行の人は心を空くして。審察すへし。
J09_0207A08: 一時の慠慢によりて。永劫の沈淪を致す事なかれ。彼
J09_0207A09: 聖道門の中に。五逆の調達を指して。三菩提の記莂を
J09_0207A10: 授けしが如きは。先は機を嫌はぬ法なめりと賴母し
J09_0207A11: けれとも。僧那を始心に結び。玅觀を十乘に凝さし
J09_0207A12: むるに至ては。發心修行。更に下根の及ふ所に非ざ
J09_0207A13: るが故に。終に機を擇ふ敎に成ぬと。是故に大師の
J09_0207A14: 曰。淨土一宗の諸宗にこえ。念佛一行の諸行にすく
J09_0207A15: れたりといふことは。萬機を攝するかたをいふなり理
J09_0207A16: 觀菩提心。讀誦大乘。眞言止觀。いづれも佛法のを
J09_0207A17: ろそかにましますにはあらず。みな生死滅度の法な
J09_0207B18: り。しかれども。末代になりぬれば。機が及はねば。
J09_0207B19: ちからおよばす。行者の不法なるによりてなり。時
J09_0207B20: をいへは末法萬年の後。餘敎悉滅。人壽十歳のとき
J09_0207B21: まで。罪をいへは十惡五逆の罪人までなり。老少男
J09_0207B22: 女のともがら。一念十念のたぐひにいたるまで。み
J09_0207B23: なこれ攝取不捨のちかいにこもれるなり。このゆへ
J09_0207B24: に諸宗にこえ。諸行にすぐれたりといふなりと。
J09_0207B25: 爾れは往生願はしくて。口に南無阿彌陀佛と唱る程
J09_0207B26: の人は。皆此起請文所被の機なるべし。本願の行躰
J09_0207B27: 即是南無阿彌陀佛也。記主御釋南無阿彌陀佛の外に。本願
J09_0207B28: なければ也。彼鷄天上に鳴。犬雲間に吠と云ひしも。
J09_0207B29: 神仙傳出これ機を簡擇せぬに喩へつべし。唯仙藥を甞たる
J09_0207B30: 迄にて。禽獸も天に登り。ただ口に唱へたる計りに
J09_0207B31: て。凡夫も淨土に生る。何んの煩しき事か有んや。
J09_0207B32: 但し願孤行孤所至なし。願行具足决定往生とは。鎭
J09_0207B33: 流の正勸正意也。故に大師の定言に。極樂のねがは
J09_0207B34: しくもなく。念佛の申されざらんことのみぞ。往生の

ウィンドウを閉じる