浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0206A01: | も顧みず。散亂不淨をも云はず。唯口に名號を唱へ |
J09_0206A02: | よ。若能稱名すれば。佛名の德として。妄念自ら止 |
J09_0206A03: | み。散亂自ら靜まり。三業自ら調て願心自ら發る也 |
J09_0206A04: | 然れは願生の心少にも南無阿彌陀佛。散亂の增時も |
J09_0206A05: | 南無阿彌陀佛。妄念の起る時も南無阿彌陀佛。善心の |
J09_0206A06: | 起る時も。南無阿彌陀佛。不淨の時も南無阿彌陀佛。 |
J09_0206A07: | 淸淨の時も南無阿彌陀佛。三心の闕たるにも南無阿 |
J09_0206A08: | 彌陀佛。三心具するにも南無阿彌陀佛。三心現起す |
J09_0206A09: | るにも南無阿彌陀佛。三心成就するにも南無阿彌陀 |
J09_0206A10: | 佛。是即ち决定往生の方便なり。心腑に納て忘るる |
J09_0206A11: | 事勿れ。聖覺尋て云く今の御義の如きは。三心を闕 |
J09_0206A12: | といへとも。唯佛名を唱れは名號の德として。三心 |
J09_0206A13: | 發得して。往生すべしと聞え候。然るに和尚虚假の |
J09_0206A14: | 行人は。晝夜十二時。急に走り急に作こと。頭燃を |
J09_0206A15: | 拂が如く勇猛に勤行すとも。不可也と定判し玉へり。 |
J09_0206A16: | 彼此の御義如何か合せんや。聖光房の云く。予が所 |
J09_0206A17: | 存も亦爾りと。上人答て云く。此不審は今の所談に |
J09_0206B18: | あらず。是は本より三心具すれとも。歷縁對境の時 |
J09_0206B19: | に。如法ならざる。其治方を述なり。所引の和尚の |
J09_0206B20: | 解釋は。一向に三心の闕たるを嫌ふ。意趣もとも巧 |
J09_0206B21: | なり。是故に難にあらずと仰せければ。弟子等兩人 |
J09_0206B22: | ながら。信仰の餘りに。申演ん詞も無く。唯一同に |
J09_0206B23: | 阿と云ひき。已上或上人予を訪ひ。法話の序に云く。筑の善導寺に詣せしに。大師聖光上人へ授玉ふ。眞筆の法 |
J09_0206B24: | 語を拜し。即時に轉寫せしとて。予に賜ふ。敬て拜見するに。感情肝に銘しぬ。重て十六門記を拜見して。彌彌信を增す。仍て世に弘通せまく |
J09_0206B25: | て。ここに附錄する者也 |
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J09_0206B34: | 圓光大師御遺訓一枚起請文梗概聞書中終 |