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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0200A01: わきまへざる。愚癡の法然房が。念佛して往生せん
J09_0200A02: と。されば顯眞明遍等の。智者學匠達の。但信稱名
J09_0200A03: し玉へるは。皆是解信還愚癡の機なり。所詮は解信
J09_0200A04: 仰信共に。往生の一大事に於ては。一向口稱念佛に
J09_0200A05: 過たるはなしと。决定信知し玉ふべし故に本文〓こ
J09_0200A06: の外に奧ふかきことを存せは。二尊の憐にはつれ本願
J09_0200A07: にもれ候へしと。起請誓言を成玉ひて後。淨土宗の
J09_0200A08: 安心起行。此一紙に至極せり。源空が所存此外に。
J09_0200A09: 全く別義を存せす。滅後の邪義を防かんかために。
J09_0200A10: 所存を記し畢とは筆を止め玉へり。能能思量せずは
J09_0200A11: 有べからず。是唯稱の行者ならでは。御遺訓の敎相
J09_0200A12: に叶はざる事見つべし。『されば此門の詮ずる所は。
J09_0200A13: 仰信を第一の正機とし。解信を第二の傍の機とする
J09_0200A14: 辨別にあり。凡そ淨宗の意は。本爲凡夫。兼爲聖人
J09_0200A15: とて。下機下劣。愚鈍無智。造惡不善なる。罪根深
J09_0200A16: 重の輩を勸誘して。往生せしむるを專要とす。さて
J09_0200A17: こそ諸宗超過の法門大悲究竟の説敎とも申すらめ。
J09_0200B18: 低人の長くらべには。ひくきを勝とし。本願の往生
J09_0200B19: 較には罪者を先とす。大悲の利益は等流の身。殊に
J09_0200B20: 劣機に近付て。強剛の衆生を利する慈悲勝れたりと。
J09_0200B21: 古德もの玉へり。爰をこそ大師も。淨土一宗の諸宗
J09_0200B22: にこえ。念佛一行の諸行にすくれたりといふことは。
J09_0200B23: 萬機を攝するかたをいふなり。乃至罪をいへば。十惡
J09_0200B24: 五逆の罪人なり。老少男女のともがら。一念十念の
J09_0200B25: たくひにいたるまで。みなこれ攝取不捨の誓にこも
J09_0200B26: れるなり。このゆへに諸宗にこえ。諸行に勝れたり
J09_0200B27: とは申なりと。又信寂房に對して。機根くらべには。
J09_0200B28: 源空かちたりきと宣へり。問本願のいはれをも知り。
J09_0200B29: 名號の躰用をも解り。安心起行等の沙汰。細細と學
J09_0200B30: し。理に折て一向稱名の行者と成たらんは。仰信分
J09_0200B31: の人よりも信力堅固にして。異見の爲にも傾動せら
J09_0200B32: れじ。然らば解信の人は。ゆゆしく勝れたる成べし。
J09_0200B33: 故に大師も無智の道心者はわびてがてら也との玉へ
J09_0200B34: り。何ぞ淨宗の本意。解信を第二とし。仰信を先と

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