浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0198A01: | ることあらんと疑ひて。これを信せすは。彌陀の誓願。 |
J09_0198A02: | 釋尊の所説。むなしくしてそのしるしあるべからす。 |
J09_0198A03: | あふきて信すへしとの玉ひたれ。又此丸藥には。何 |
J09_0198A04: | 何の藥艸藥木。何分何兩あり。其藥艸は。何何の病 |
J09_0198A05: | を治し。此藥木はそれそれの功能ある抔と。一一に |
J09_0198A06: | 見分て。成程此組合の丸藥にては。我重病も愈ぞと |
J09_0198A07: | 領納して服用する。是を解信の機の。三心四修等 |
J09_0198A08: | を學び得て實に本願他力に非ずは出離し難しと知 |
J09_0198A09: | て。偏に本願を賴み念佛して。往生を遂るに比すべ |
J09_0198A10: | し。又仰信の機は。調合の法を知らねとも。唯藥を |
J09_0198A11: | 服用すれば。病氣の治するは一同也。然るに病の治 |
J09_0198A12: | するは。醫の力のみにも非ず。服用する人の働きに |
J09_0198A13: | も非す。茶碗のわざにもあらず。火のわざにも非ず。 |
J09_0198A14: | 詮する所は。唯藥力の致す所なり。爾はあれど。水 |
J09_0198A15: | も火も。茶碗も鍋もなけれは。病を愈し難しと。道 |
J09_0198A16: | 具計りを大事に存して。藥を輕しむ。斯は是諸師所 |
J09_0198A17: | 立の通途の念佛にして。萬行隨一の勸奬也。これ自 |
J09_0198B18: | 力根性。戒律屈執の人。又は雜行の執情を捨兼たる。 |
J09_0198B19: | 雜修數寄の人に喩へて知べし。今此靈藥は。火も水 |
J09_0198B20: | も。茶碗も鍋もいらぬ。唯口稱の丸藥にして。通途 |
J09_0198B21: | 諸師諸宗に談ずる。萬行なみなみの念佛の賣藥には非ず。諸佛の大悲法藏の |
J09_0198B22: | 因願に示現せる。五劫思惟兆載永劫。苦修練行の所 |
J09_0198B23: | 成なれは。萬善萬德の歸する所。超世別願の妙法。 |
J09_0198B24: | 靈靈不思議にして。凡夫二乘の解會を絶したる法藥 |
J09_0198B25: | なれば。今更持戒の鍋釜。禪定の茶碗。慈悲智惠等 |
J09_0198B26: | の。水火を貯へざれとも。南無阿彌陀佛と一口に呑 |
J09_0198B27: | 了すれば。いかなる極惡重病他の方便なきも必死無 |
J09_0198B28: | 宿善の。虚勞の病痾といへども忽ちに。除滅して。 |
J09_0198B29: | 徤徤しく慈父の古郷へ反復する。橫超頓大。獨一靈 |
J09_0198B30: | 妙の方劑也。これ是を大悲本懷の。他力念佛とは云 |
J09_0198B31: | ふなり。故に約對雜善。讃歎念佛章に云く。而能除 |
J09_0198B32: | 滅逆罪餘行所不堪唯有念佛之力堪能滅於重 |
J09_0198B33: | 罪故爲極惡最下之人而説極善最上之法例如彼 |
J09_0198B34: | 無明淵源之病非中道腑藏之藥即不能治今此五逆 |