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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0198A01: ることあらんと疑ひて。これを信せすは。彌陀の誓願。
J09_0198A02: 釋尊の所説。むなしくしてそのしるしあるべからす。
J09_0198A03: あふきて信すへしとの玉ひたれ。又此丸藥には。何
J09_0198A04: 何の藥艸藥木。何分何兩あり。其藥艸は。何何の病
J09_0198A05: を治し。此藥木はそれそれの功能ある抔と。一一に
J09_0198A06: 見分て。成程此組合の丸藥にては。我重病も愈ぞと
J09_0198A07: 領納して服用する。是を解信の機の。三心四修等
J09_0198A08: を學び得て實に本願他力に非ずは出離し難しと知
J09_0198A09: て。偏に本願を賴み念佛して。往生を遂るに比すべ
J09_0198A10: し。又仰信の機は。調合の法を知らねとも。唯藥を
J09_0198A11: 服用すれば。病氣の治するは一同也。然るに病の治
J09_0198A12: するは。醫の力のみにも非ず。服用する人の働きに
J09_0198A13: も非す。茶碗のわざにもあらず。火のわざにも非ず。
J09_0198A14: 詮する所は。唯藥力の致す所なり。爾はあれど。水
J09_0198A15: も火も。茶碗も鍋もなけれは。病を愈し難しと。道
J09_0198A16: 具計りを大事に存して。藥を輕しむ。斯は是諸師所
J09_0198A17: 立の通途の念佛にして。萬行隨一の勸奬也。これ自
J09_0198B18: 力根性。戒律屈執の人。又は雜行の執情を捨兼たる。
J09_0198B19: 雜修數寄の人に喩へて知べし。今此靈藥は。火も水
J09_0198B20: も。茶碗も鍋もいらぬ。唯口稱の丸藥にして。通途
J09_0198B21: 諸師諸宗に談ずる。萬行なみなみの念佛の賣藥には非ず。諸佛の大悲法藏の
J09_0198B22: 因願に示現せる。五劫思惟兆載永劫。苦修練行の所
J09_0198B23: 成なれは。萬善萬德の歸する所。超世別願の妙法。
J09_0198B24: 靈靈不思議にして。凡夫二乘の解會を絶したる法藥
J09_0198B25: なれば。今更持戒の鍋釜。禪定の茶碗。慈悲智惠等
J09_0198B26: の。水火を貯へざれとも。南無阿彌陀佛と一口に呑
J09_0198B27: 了すれば。いかなる極惡重病他の方便なきも必死無
J09_0198B28: 宿善の。虚勞の病痾といへども忽ちに。除滅して。
J09_0198B29: 徤徤しく慈父の古郷へ反復する。橫超頓大。獨一靈
J09_0198B30: 妙の方劑也。これ是を大悲本懷の。他力念佛とは云
J09_0198B31: ふなり。故に約對雜善。讃歎念佛章に云く。而能除
J09_0198B32: 滅逆罪餘行所不堪唯有念佛之力堪能滅於重
J09_0198B33: 罪故爲極惡最下之人而説極善最上之法例如彼
J09_0198B34: 無明淵源之病非中道腑藏之藥即不能治今此五逆

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