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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0196A01: 阿彌陀佛。なむあみた佛と申居たるは。縱ひ解會
J09_0196A02: の舟穿鑿せし人も。何の分別もなく。舟賃投出して
J09_0196A03: 舟に乘る者も向の岸に着く處は同きが如く。知るも
J09_0196A04: 知らぬも。申しさへすれば。極樂へ往生事は全く同
J09_0196A05: し。運送は舟と渡し守の力らにして乘る人人の働き
J09_0196A06: には非ず。生死を出て極樂に往生する事は。本願の
J09_0196A07: 力にして。全く申人の働きには非ず。舟に乘迄は唯
J09_0196A08: 南無阿彌陀佛と申す事ぞと。本願を信知するまでな
J09_0196A09: り。本文に付て云はは。始めもろこしわか朝と云ふ
J09_0196A10: より。第二のあらすと云ふに至るまては。是解信の
J09_0196A11: 分齊なり。次にたた往生極樂と云ふより。別の子細
J09_0196A12: 候はすと云ふに至るまては。是單直仰信の機なり。
J09_0196A13: 是に付て可説不可説。因果二分の説あれども。此二無二。全體遍收すと云ふ事を。知るべしただし三心四修
J09_0196A14: と云ふより。こもり候なりと云ふに至る迄は。亦解
J09_0196A15: 信の分齊を示し。次に此外に奧ふかきことを存せはと
J09_0196A16: 云ふより。本願にもれ候へしと云ふまでは。是起
J09_0196A17: 請誓言を立るなり。これ前後の中間に此言を置てた
J09_0196B18: だ南無阿彌陀佛と申が本願ぞと决定信知せしむ。次
J09_0196B19: に念佛を信せん人等とは。是亦解信。還愚癡の相を示
J09_0196B20: す也。還愚癡とは。ぐちにかへると云ふ事なり。ぐ
J09_0196B21: ちにかへると云へばとて。迷ひ深く心くらかれと云
J09_0196B22: ふにはあらず。往生極樂の道は。佛願の致す所。佛
J09_0196B23: 智の致す所にして。三賢十聖。弗測所窺の境なれば。
J09_0196B24: 凡夫淺識の人の。心力學解のとどく處にあらざれは。
J09_0196B25: 智惠をも物立ず。才覺をも加へず。唯本願に打信せ
J09_0196B26: て。正直正路に。念佛を申す事。一文不通の者の如
J09_0196B27: くなれとの意なり。然れば一代藏經をそらんじたる
J09_0196B28: 人も。名號を唱へ。本願に引るる方は。本來一文不
J09_0196B29: 通の。愚鈍無智の人に。少も替りめなき事也。還愚仰信の細釋は
J09_0196B30: 攝機門の。附錄を見るべし。故に本文に。たとひ一代の法を。よく
J09_0196B31: よく學すとも。一文不知の愚鈍の身になして。尼入
J09_0196B32: 道の無智の輩に同して。智者のふるまいをせすして。
J09_0196B33: たた一向に念佛すべしとは敎へ玉へり。故に導師釋
J09_0196B34: して一切善惡凡夫。得生者。莫不皆乘阿彌陀佛。大願

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