浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0196A01: | 阿彌陀佛。なむあみた佛と申居たるは。縱ひ解會 |
J09_0196A02: | の舟穿鑿せし人も。何の分別もなく。舟賃投出して |
J09_0196A03: | 舟に乘る者も向の岸に着く處は同きが如く。知るも |
J09_0196A04: | 知らぬも。申しさへすれば。極樂へ往生事は全く同 |
J09_0196A05: | し。運送は舟と渡し守の力らにして乘る人人の働き |
J09_0196A06: | には非ず。生死を出て極樂に往生する事は。本願の |
J09_0196A07: | 力にして。全く申人の働きには非ず。舟に乘迄は唯 |
J09_0196A08: | 南無阿彌陀佛と申す事ぞと。本願を信知するまでな |
J09_0196A09: | り。本文に付て云はは。始めもろこしわか朝と云ふ |
J09_0196A10: | より。第二のあらすと云ふに至るまては。是解信の |
J09_0196A11: | 分齊なり。次にたた往生極樂と云ふより。別の子細 |
J09_0196A12: | 候はすと云ふに至るまては。是單直仰信の機なり。 |
J09_0196A13: | 是に付て可説不可説。因果二分の説あれども。此二無二。全體遍收すと云ふ事を。知るべしただし三心四修 |
J09_0196A14: | と云ふより。こもり候なりと云ふに至る迄は。亦解 |
J09_0196A15: | 信の分齊を示し。次に此外に奧ふかきことを存せはと |
J09_0196A16: | 云ふより。本願にもれ候へしと云ふまでは。是起 |
J09_0196A17: | 請誓言を立るなり。これ前後の中間に此言を置てた |
J09_0196B18: | だ南無阿彌陀佛と申が本願ぞと决定信知せしむ。次 |
J09_0196B19: | に念佛を信せん人等とは。是亦解信。還愚癡の相を示 |
J09_0196B20: | す也。還愚癡とは。ぐちにかへると云ふ事なり。ぐ |
J09_0196B21: | ちにかへると云へばとて。迷ひ深く心くらかれと云 |
J09_0196B22: | ふにはあらず。往生極樂の道は。佛願の致す所。佛 |
J09_0196B23: | 智の致す所にして。三賢十聖。弗測所窺の境なれば。 |
J09_0196B24: | 凡夫淺識の人の。心力學解のとどく處にあらざれは。 |
J09_0196B25: | 智惠をも物立ず。才覺をも加へず。唯本願に打信せ |
J09_0196B26: | て。正直正路に。念佛を申す事。一文不通の者の如 |
J09_0196B27: | くなれとの意なり。然れば一代藏經をそらんじたる |
J09_0196B28: | 人も。名號を唱へ。本願に引るる方は。本來一文不 |
J09_0196B29: | 通の。愚鈍無智の人に。少も替りめなき事也。還愚仰信の細釋は |
J09_0196B30: | 攝機門の。附錄を見るべし。故に本文に。たとひ一代の法を。よく |
J09_0196B31: | よく學すとも。一文不知の愚鈍の身になして。尼入 |
J09_0196B32: | 道の無智の輩に同して。智者のふるまいをせすして。 |
J09_0196B33: | たた一向に念佛すべしとは敎へ玉へり。故に導師釋 |
J09_0196B34: | して一切善惡凡夫。得生者。莫不皆乘阿彌陀佛。大願 |