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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0192A01: りと。仰られたり。心をいたしてと云ふは至心なり
J09_0192A02: 至とは至極なり。至極とは决定の義也。决定は大信
J09_0192A03: 也。唯申と云ふは口計りにて申せは。極樂へ參るぞと
J09_0192A04: 思ふ心に僞りのなきが。至極决定の道理と心得べき
J09_0192A05: 也。大師聖光上人へ賜ふ法語に云く。南無阿彌陀佛
J09_0192A06: と申せば。决定して往生する事なりと信じとるへき
J09_0192A07: なり念佛を信ぜん人は。たとひ一代の御法を。學し
J09_0192A08: 極めたる人なりとも。文字一字もしらぬ。愚癡鈍根
J09_0192A09: の不覺の身になして。尼入道の無智の輩に我身を同
J09_0192A10: しくなして。智者のふるまひをせすして。たた南無
J09_0192A11: 阿彌陀佛と申てぞかなはんすと。此御示を守り東西
J09_0192A12: をも知らず黑白をもわきまへざる程の身に成て。一
J09_0192A13: 向赤子念佛に唱ふべし。誠に少も賢達たる心あらは
J09_0192A14: 佛の御心に叶ふべからず。若御心に背きなば。往生
J09_0192A15: 爭か遂べき。只早くも無智無能の境界に降りはてて。
J09_0192A16: 平申しに明ても暮ても。めつた申に申すへし。古歌
J09_0192A17: に一文字もおもひわかざる身となりて。南無阿彌陀
J09_0192B18: 佛南無阿彌陀佛と。是予が日用の勸化。此外分毛の
J09_0192B19: 餘意なく。自佗出離。往生極樂の骨髓肝心と决定せ
J09_0192B20: り。此即ち御遺訓の宗旨。唯口稱の本懷も。ここに
J09_0192B21: あらんと思ふのみ。南無阿彌陀佛
J09_0192B22: 第六敎相門。敎相とはをしへのすかたとも。をしへ
J09_0192B23: のありさまとも。をしへかたとも和訓す。夫賁鼓密
J09_0192B24: にして響を含み。龍笛透て音を發すと。凡そ聖道淨
J09_0192B25: 土の修行の用心の違ひめは。人を制すると。人に制
J09_0192B26: せらるるとの謂れなり。大師の曰くかれも敎これも
J09_0192B27: 敎。たかひに偏執をいたくことなかれ。説のことく修
J09_0192B28: 行せば。みなことことく生死を過度すべし。法のこと
J09_0192B29: く修行せは。おなしく菩提を證すへし。修せずして
J09_0192B30: いたづらに是非を論す。たとへは目しゐたる人の。
J09_0192B31: いろの淺深を論し。耳しゐたる人のこゑの好惡をい
J09_0192B32: はんがごとし。ただすべからく。修行すべしと。實
J09_0192B33: に偏執する事なかれ。自法を愛染するが故に。他人
J09_0192B34: の法を謗れは。持戒の行人なりといへとも。地獄に

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