浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0192A01: | りと。仰られたり。心をいたしてと云ふは至心なり |
J09_0192A02: | 至とは至極なり。至極とは决定の義也。决定は大信 |
J09_0192A03: | 也。唯申と云ふは口計りにて申せは。極樂へ參るぞと |
J09_0192A04: | 思ふ心に僞りのなきが。至極决定の道理と心得べき |
J09_0192A05: | 也。大師聖光上人へ賜ふ法語に云く。南無阿彌陀佛 |
J09_0192A06: | と申せば。决定して往生する事なりと信じとるへき |
J09_0192A07: | なり念佛を信ぜん人は。たとひ一代の御法を。學し |
J09_0192A08: | 極めたる人なりとも。文字一字もしらぬ。愚癡鈍根 |
J09_0192A09: | の不覺の身になして。尼入道の無智の輩に我身を同 |
J09_0192A10: | しくなして。智者のふるまひをせすして。たた南無 |
J09_0192A11: | 阿彌陀佛と申てぞかなはんすと。此御示を守り東西 |
J09_0192A12: | をも知らず黑白をもわきまへざる程の身に成て。一 |
J09_0192A13: | 向赤子念佛に唱ふべし。誠に少も賢達たる心あらは |
J09_0192A14: | 佛の御心に叶ふべからず。若御心に背きなば。往生 |
J09_0192A15: | 爭か遂べき。只早くも無智無能の境界に降りはてて。 |
J09_0192A16: | 平申しに明ても暮ても。めつた申に申すへし。古歌 |
J09_0192A17: | に一文字もおもひわかざる身となりて。南無阿彌陀 |
J09_0192B18: | 佛南無阿彌陀佛と。是予が日用の勸化。此外分毛の |
J09_0192B19: | 餘意なく。自佗出離。往生極樂の骨髓肝心と决定せ |
J09_0192B20: | り。此即ち御遺訓の宗旨。唯口稱の本懷も。ここに |
J09_0192B21: | あらんと思ふのみ。南無阿彌陀佛 |
J09_0192B22: | 第六敎相門。敎相とはをしへのすかたとも。をしへ |
J09_0192B23: | のありさまとも。をしへかたとも和訓す。夫賁鼓密 |
J09_0192B24: | にして響を含み。龍笛透て音を發すと。凡そ聖道淨 |
J09_0192B25: | 土の修行の用心の違ひめは。人を制すると。人に制 |
J09_0192B26: | せらるるとの謂れなり。大師の曰くかれも敎これも |
J09_0192B27: | 敎。たかひに偏執をいたくことなかれ。説のことく修 |
J09_0192B28: | 行せば。みなことことく生死を過度すべし。法のこと |
J09_0192B29: | く修行せは。おなしく菩提を證すへし。修せずして |
J09_0192B30: | いたづらに是非を論す。たとへは目しゐたる人の。 |
J09_0192B31: | いろの淺深を論し。耳しゐたる人のこゑの好惡をい |
J09_0192B32: | はんがごとし。ただすべからく。修行すべしと。實 |
J09_0192B33: | に偏執する事なかれ。自法を愛染するが故に。他人 |
J09_0192B34: | の法を謗れは。持戒の行人なりといへとも。地獄に |