浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0189A01: | 如是なればとて。佛像を拜する事勿れと敎ゆるにも |
J09_0189A02: | 非ず。大師の本意は。佛像に目をかくる事もならず。 |
J09_0189A03: | 香華を献ずる事もならぬ貧賤孤獨の人や。渡世の急 |
J09_0189A04: | がはしき輩ら。尊貴豪富の人。又は主君に寵せらるる類ひ。其品數數あり又は目しひ耳 |
J09_0189A05: | しひ。手なえ足なえ。腰立ぬ人も。口に南無阿彌陀 |
J09_0189A06: | 佛とだに稱すれば。戒律具足の大比丘僧。或は觀解 |
J09_0189A07: | 兼備の。利智精進の學匠と。少もいらかを改めず。 |
J09_0189A08: | 報土往生を得せしめ。一微塵のけぢめも有せじと誓 |
J09_0189A09: | ひ玉へる。平等大悲の。御本願の深意を顯し玉ふが |
J09_0189A10: | 勸進の所詮也。正に知るべし吾が大師。口稱三昧の |
J09_0189A11: | 心眼を開き玉へる勸進。隨自意の本懷を遺屬し玉ふ |
J09_0189A12: | 所の起請文の宗旨なれば。紛れもなく本願獨立の唯 |
J09_0189A13: | 稱に的合する。無上大善にして。慈悲智惠。戒行等 |
J09_0189A14: | の助ささぬ。獨尊皈趣統攝の義にも叶ひ。主也趣也 |
J09_0189A15: | 要也。の釋の意も分明にして。晴天の如く。白日の |
J09_0189A16: | 如し『さて念佛の法門は。諸宗通して談し。諸師擧 |
J09_0189A17: | て敎ゆ。爾るを別に一宗を立る事は何ぞや。此義を |
J09_0189B18: | 思惟するに。我が大師は諸師に共せぬ。獨步の敎 |
J09_0189B19: | 勸。選擇本願念佛を以て。凡夫報土往生の大義を主 |
J09_0189B20: | 張し。成立し玉はんが爲なり。謂く唯往生極樂の爲 |
J09_0189B21: | に。本願の稱名を勸むるを。選擇本願念佛とは云ふ |
J09_0189B22: | 也。此故に大師の宣はく。念佛は一大事往生のため |
J09_0189B23: | に用ゆべし。わづかの世のはかりことには。無下に本 |
J09_0189B24: | 意なし。それそれにつかさどる。御法。いかほども |
J09_0189B25: | あるを。縁にしたがひて。おこなふべきなりと。又 |
J09_0189B26: | の玉はく。往生の行には。念佛にすぎたるは候はず |
J09_0189B27: | と申候なり。往生にあらさる道には。餘行又つかさ |
J09_0189B28: | どるかたありと。されば大師瘧病をわつらひ給ふと |
J09_0189B29: | き。念佛にておとし給へと。人人申されば。これは |
J09_0189B30: | 小事なり。往生の大事を申さんうへはとて。もちひ |
J09_0189B31: | させ給はさりけりと。委くは勸化本義の如し斯等の意を以て知る |
J09_0189B32: | べし。本願念佛は。唯往生極樂の。一大事因縁の爲 |
J09_0189B33: | と尊信して。小節にかかわり。小事に用ひざる事を |
J09_0189B34: | 又孝は敬を以て分つと云ふ事あり。子游問孝ヲ。孔子告ヲ曰ク今ノ之孝ハ者是レ謂 |