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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0189A01: 如是なればとて。佛像を拜する事勿れと敎ゆるにも
J09_0189A02: 非ず。大師の本意は。佛像に目をかくる事もならず。
J09_0189A03: 香華を献ずる事もならぬ貧賤孤獨の人や。渡世の急
J09_0189A04: がはしき輩ら。尊貴豪富の人。又は主君に寵せらるる類ひ。其品數數あり又は目しひ耳
J09_0189A05: しひ。手なえ足なえ。腰立ぬ人も。口に南無阿彌陀
J09_0189A06: 佛とだに稱すれば。戒律具足の大比丘僧。或は觀解
J09_0189A07: 兼備の。利智精進の學匠と。少もいらかを改めず。
J09_0189A08: 報土往生を得せしめ。一微塵のけぢめも有せじと誓
J09_0189A09: ひ玉へる。平等大悲の。御本願の深意を顯し玉ふが
J09_0189A10: 勸進の所詮也。正に知るべし吾が大師。口稱三昧の
J09_0189A11: 心眼を開き玉へる勸進。隨自意の本懷を遺屬し玉ふ
J09_0189A12: 所の起請文の宗旨なれば。紛れもなく本願獨立の唯
J09_0189A13: 稱に的合する。無上大善にして。慈悲智惠。戒行等
J09_0189A14: の助ささぬ。獨尊皈趣統攝の義にも叶ひ。主也趣也
J09_0189A15: 要也。の釋の意も分明にして。晴天の如く。白日の
J09_0189A16: 如し『さて念佛の法門は。諸宗通して談し。諸師擧
J09_0189A17: て敎ゆ。爾るを別に一宗を立る事は何ぞや。此義を
J09_0189B18: 思惟するに。我が大師は諸師に共せぬ。獨步の敎
J09_0189B19: 勸。選擇本願念佛を以て。凡夫報土往生の大義を主
J09_0189B20: 張し。成立し玉はんが爲なり。謂く唯往生極樂の爲
J09_0189B21: に。本願の稱名を勸むるを。選擇本願念佛とは云ふ
J09_0189B22: 也。此故に大師の宣はく。念佛は一大事往生のため
J09_0189B23: に用ゆべし。わづかの世のはかりことには。無下に本
J09_0189B24: 意なし。それそれにつかさどる。御法。いかほども
J09_0189B25: あるを。縁にしたがひて。おこなふべきなりと。又
J09_0189B26: の玉はく。往生の行には。念佛にすぎたるは候はず
J09_0189B27: と申候なり。往生にあらさる道には。餘行又つかさ
J09_0189B28: どるかたありと。されば大師瘧病をわつらひ給ふと
J09_0189B29: き。念佛にておとし給へと。人人申されば。これは
J09_0189B30: 小事なり。往生の大事を申さんうへはとて。もちひ
J09_0189B31: させ給はさりけりと。委くは勸化本義の如し斯等の意を以て知る
J09_0189B32: べし。本願念佛は。唯往生極樂の。一大事因縁の爲
J09_0189B33: と尊信して。小節にかかわり。小事に用ひざる事を
J09_0189B34: 又孝は敬を以て分つと云ふ事あり。子游問孝ヲ。孔子告ヲ曰ク今ノ之孝ハ者是レ謂

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