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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0187A01: はく。學生骨になりて念佛やうしなはんすらんと。往生
J09_0187A02: や仕損ずらんと。の玉はずして。念佛やうしなはんすらんと。の玉へる所に眼を付べし。元祖大師の正意。念佛にあり。申しさへすれば往生と
J09_0187A03: 云ふか所詮也。されば古人も安心者にならずと。念佛者になるべしといへり。往生淨土の安心は肝要なるをなれども。稍もすれば安心
J09_0187A04: 物語りに。日を暮して念佛せざるあり。又は安心物語に目をさまして。念佛にはいねむるもあり。かかるありさまは。安心の學問すら。
J09_0187A05: 念佛をうしなふ。まして况や自餘の學問だてをや。よくよく案じて見玉へ安心の至極は。往生の爲に南無阿彌陀佛と申ばかりなり。
J09_0187A06: しかれば只相續して。多くも少くも。人人分分相應に申より外の極樂往生はなし。されども凡夫の行入は。退縁しばしばをこるなれば
J09_0187A07: 本願相應の抄物をひらき見るまで也。その力なきものはただ本願念佛弘通の正見なる善知識に參して。聽聞して申より外の事なきぞと心を
J09_0187A08: 得て。目出度極樂へ往生し玉へかし。されば學生骨になりては念佛やうしなはんすらん。それでは詮もなき事ぞと也爰を以
J09_0187A09: て願生行者の至要たる三心四修だにも。南無阿彌陀
J09_0187A10: 佛と申うちにこもり候なりと。行者の機具に約し玉
J09_0187A11: ふ。豈是本願唯稱名に非ずしていかん。且又示して
J09_0187A12: の玉はくとしごろならひたる智慧は。往生のために
J09_0187A13: は要にも立へからす。されとも習たるしるしには。
J09_0187A14: かくのことく知たるは。はかりなきことなりと。是智解
J09_0187A15: 悟解を用ひず。稱名すれば。本願に乘すと。常に勸
J09_0187A16: 進し玉ふ。斷然不改の程も自ら顯著也。故に唯口稱
J09_0187A17: の一行を以て。滅後末代へ弘通し玉へる。一紙御遺
J09_0187B18: 訓の。宗旨門の詮要ここにあり。爾れは但信稱名し
J09_0187B19: て。慮知分別に亘らず。才覺工夫を用ひず。平に御
J09_0187B20: 遺訓の宗旨を信して。稱名相續が肝要也。『是亦圓光
J09_0187B21: 大師自己の臆説。今案の新義にあらず。善導一師に
J09_0187B22: る依の明訓も蓋し此意なり暫く三五の文を出して其
J09_0187B23: 義を明さん。
J09_0187B24: 玄義分曰若我得佛十方衆生稱我名號願生我國
J09_0187B25: 下至十念若不生者不取正覺
J09_0187B26: 又曰一一願言稱我名號四十八願の中第十八念佛往生の願を除き。餘の四十七の願を立
J09_0187B27: 玉ふ意は。我名號を稱して。我國へ生れたらん者を。再ひ惡趣へ歸さば。正覺を取らずと。是不更惡趣の願の意也。乃至我名號を唱へたら
J09_0187B28: ん女人。我國へ生れて成佛せず。再び女人の形を得は。正覺をとらずと。是女人往生の願の意なり。乃至我名號を唱へて。我國へ生れたら
J09_0187B29: ん者。三法忍を得ずば。正覺を取らずと。是得三法忍の願の意なり。故に一一願言。稱我名號と釋し玉へり
J09_0187B30: 序分義曰彌陀本國四十八願願願皆發增上勝因
J09_0187B31: 定善義曰四十八願中唯明專念彌陀名號得生
J09_0187B32: 散善義曰一心專念彌陀名號行住坐臥不問時節久
J09_0187B33: 近念念不捨者是名正定之業順彼佛願故。是正しく。三
J09_0187B34: 心の中の。深心の御釋にして。而も就行立信の。結釋なり

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