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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0186A01: んは。いともかしこし。且は稱名勇進の助業なるに
J09_0186A02: 非ずや。既に大師も一切經を。數遍披覽ありて。廣
J09_0186A03: く八宗九宗に亘り。終に智惠第一の。譽れを得玉ひ
J09_0186A04: たる上の仰に云く。それ三字の名號は。すくなしと
J09_0186A05: いへとも。如來所有の内證外用の功德。萬億恒沙の
J09_0186A06: 甚深の法門を。このうちにおさめたり。たれかこれ
J09_0186A07: をはかるへきやと。爾れは學て以て。六字のすがた
J09_0186A08: を知り。三字の功德を領解して念佛申たらんは。豈
J09_0186A09: 貴とからずや。答爾らず。彼の錄の御法語は。ただ
J09_0186A10: 名號の別德を讃歎し玉ふにてこそあれ。本願勸進の
J09_0186A11: 正意を演べ玉ひたるには非ずそれなを平等大悲の本
J09_0186A12: 願に。簡別を生ずるに相似たり。故に本文に。念の
J09_0186A13: ここをろ悟りて申念佛にもあらすと。選捨し。而も
J09_0186A14: 念佛を信せん人はたとひ一代の法をよくよく學すと
J09_0186A15: も。一文不知の愚鈍の身になして唯一向に念佛すへ
J09_0186A16: しとは。結勸し玉へり。或時二品禪尼歸依の餘り。
J09_0186A17: 蓮上房尊覺を御使として。念佛往生の旨を。たづね
J09_0186B18: 申されたりければ。彼御返事に云く。御文くはしく
J09_0186B19: 承り候ぬ。さては念佛の功德をは。佛も説つくしか
J09_0186B20: たしとの給へり又智惠第一の舍利弗多聞第一の阿難
J09_0186B21: も。念佛の功德はしりがたしとの給ひし。廣大の善
J09_0186B22: 根にて候へは。まして源空なんと。申つくすへしと
J09_0186B23: も覺え候はす。彌陀のむかしちかひ給ひし本願は。
J09_0186B24: あまねく一切衆生のためなれは。有智無智。有罪
J09_0186B25: 無罪。善人惡人。持戒破戒。たときいやしき。おと
J09_0186B26: こも女もへたてす。もしは佛の在世の衆生。若は佛
J09_0186B27: の滅後の衆生。もしは釋迦の末法。萬年の後。三寳
J09_0186B28: みなうせて。後の衆生まても。たた念佛はかりこそ。
J09_0186B29: 現當の祈りになり候めれ。このゆへに來て。往生の
J09_0186B30: 道をたつね候人には。有智無智を申さす。一すちに
J09_0186B31: 專修念佛をすすめ候なりと。現當の祈とは。翼賛に云く。觀念法門に。五種の增上縁を明
J09_0186B32: す。於ヲ中ニ前の三は現益。後の二は當益也と。前の三とは滅罪增上縁。護念增上縁。見佛增上縁也。後の二とは攝生增上縁。證生增上
J09_0186B33: 縁也。又二品禪尼の爲に。淨土宗略抄を撰て。此義を解し玉ふ中に往生禮讃を和釋して。宗の正意を述成し玉へり。載て和語燈ノ錄第二
J09_0186B34: 之卷の末に出たり。今時の祈禱念佛と。一混する事勿れ。委しくは勸化本義に辨ずるかごとし又大師勸ての玉

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