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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0185A01: て。水手の張潮が心を聞とりたるか如く。我等南無
J09_0185A02: 阿彌陀佛とだに。聲を立て申さば。現世祈禱の爲か。
J09_0185A03: 願生極樂の爲か。と行者の心念を。佛能聞き分け玉
J09_0185A04: ふべし。衆生起行口常稱佛。佛即聞之。乃至故名增上
J09_0185A05: 縁なれば。唯稱名が。順彼佛願にして。决定往生の
J09_0185A06: 業行也。是の故に今。但信稱名を宗旨と談ずる者也
J09_0185A07: 『次に助をさすささぬ事を論ぜば。但し慈悲戒行
J09_0185A08: 遺訓に。此等の取捨なき事は。蓋し慈悲は。是佛の體なり。戒行は是修行の地盤なる故か等の助はさもあら
J09_0185A09: はあれ想送西方の觀。或は法身觀。又は色想觀等の
J09_0185A10: 助業を用ひてんは。いかがあるべきや。答爾らず。
J09_0185A11: 文に觀念の念にもあらすと。簡別し玉へり。又大師
J09_0185A12: つねつね仰せられて云く。近來の行人觀法をなすこと
J09_0185A13: なかれ。佛像を觀すとも。運慶康慶か造たる。佛ほ
J09_0185A14: とたにも觀しあらはすへからす。極樂の莊嚴を觀す
J09_0185A15: とも。櫻梅桃李の華菓程も。觀しあらはさん事かた
J09_0185A16: かるへし。たた彼佛今現在世成佛。當知本誓重願不
J09_0185A17: 虚。衆生稱念必得往生の釋を信して。ふかく本願を
J09_0185B18: たのみて。一向に名號を唱ふへしと。又鎭西より上
J09_0185B19: 洛せる修行者。上人の庵室に參して。いまた見參に
J09_0185B20: 入さる先に。御弟子に對して。稱名の時。佛の相好
J09_0185B21: に心をかくることは。いかか候へきと。尋申けれはめ
J09_0185B22: てたくこそあらめと申けるを。上人道塲にて聞給ひ
J09_0185B23: けるか。明障子をあけ給ひて。源空はしからず。た
J09_0185B24: た若我成佛。十方衆生。稱我名號。下至十聲。若不
J09_0185B25: 生者不取正覺。彼佛今現在世成佛。當知本誓重願不
J09_0185B26: 虚。衆生稱念必得往生と。おもふばかりなり。我等
J09_0185B27: か分にていかに觀すとも。更に如説の觀にあらし。
J09_0185B28: たたふかく本願をたのみて。口に名號を唱るのみ。假
J09_0185B29: 令ならさる行なりとそ仰られけると。當知吾大師。
J09_0185B30: 既に惠眼を開き玉ひて。彼本願の妙旨。無觀無解の
J09_0185B31: 稱名なる事を。信知し悟入して。常に如是敎勸し玉
J09_0185B32: へり。冀くは流れを汲ん輩は。但信口稱し玉ふべし。
J09_0185B33: 至りもせぬ觀念等の助業は用ひずとも有んかし。或
J09_0185B34: 人問て曰く。學解を以て六字名號の功德を知りたら

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