浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0185A01: | て。水手の張潮が心を聞とりたるか如く。我等南無 |
J09_0185A02: | 阿彌陀佛とだに。聲を立て申さば。現世祈禱の爲か。 |
J09_0185A03: | 願生極樂の爲か。と行者の心念を。佛能聞き分け玉 |
J09_0185A04: | ふべし。衆生起行口常稱佛。佛即聞之。乃至故名增上 |
J09_0185A05: | 縁なれば。唯稱名が。順彼佛願にして。决定往生の |
J09_0185A06: | 業行也。是の故に今。但信稱名を宗旨と談ずる者也 |
J09_0185A07: | 『次に助をさすささぬ事を論ぜば。但し慈悲戒行 |
J09_0185A08: | 遺訓に。此等の取捨なき事は。蓋し慈悲は。是佛の體なり。戒行は是修行の地盤なる故か等の助はさもあら |
J09_0185A09: | はあれ想送西方の觀。或は法身觀。又は色想觀等の |
J09_0185A10: | 助業を用ひてんは。いかがあるべきや。答爾らず。 |
J09_0185A11: | 文に觀念の念にもあらすと。簡別し玉へり。又大師 |
J09_0185A12: | つねつね仰せられて云く。近來の行人觀法をなすこと |
J09_0185A13: | なかれ。佛像を觀すとも。運慶康慶か造たる。佛ほ |
J09_0185A14: | とたにも觀しあらはすへからす。極樂の莊嚴を觀す |
J09_0185A15: | とも。櫻梅桃李の華菓程も。觀しあらはさん事かた |
J09_0185A16: | かるへし。たた彼佛今現在世成佛。當知本誓重願不 |
J09_0185A17: | 虚。衆生稱念必得往生の釋を信して。ふかく本願を |
J09_0185B18: | たのみて。一向に名號を唱ふへしと。又鎭西より上 |
J09_0185B19: | 洛せる修行者。上人の庵室に參して。いまた見參に |
J09_0185B20: | 入さる先に。御弟子に對して。稱名の時。佛の相好 |
J09_0185B21: | に心をかくることは。いかか候へきと。尋申けれはめ |
J09_0185B22: | てたくこそあらめと申けるを。上人道塲にて聞給ひ |
J09_0185B23: | けるか。明障子をあけ給ひて。源空はしからず。た |
J09_0185B24: | た若我成佛。十方衆生。稱我名號。下至十聲。若不 |
J09_0185B25: | 生者不取正覺。彼佛今現在世成佛。當知本誓重願不 |
J09_0185B26: | 虚。衆生稱念必得往生と。おもふばかりなり。我等 |
J09_0185B27: | か分にていかに觀すとも。更に如説の觀にあらし。 |
J09_0185B28: | たたふかく本願をたのみて。口に名號を唱るのみ。假 |
J09_0185B29: | 令ならさる行なりとそ仰られけると。當知吾大師。 |
J09_0185B30: | 既に惠眼を開き玉ひて。彼本願の妙旨。無觀無解の |
J09_0185B31: | 稱名なる事を。信知し悟入して。常に如是敎勸し玉 |
J09_0185B32: | へり。冀くは流れを汲ん輩は。但信口稱し玉ふべし。 |
J09_0185B33: | 至りもせぬ觀念等の助業は用ひずとも有んかし。或 |
J09_0185B34: | 人問て曰く。學解を以て六字名號の功德を知りたら |