浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0184A01: | 是故念勸聲聲起念不忘佛有此益故法藏比丘立 |
J09_0184A02: | 稱名願實望凡夫時萬善萬行中稱名第一行仰案 |
J09_0184A03: | 佛願意感涙難押矣。これに付て。心は聲を引立。聲は心を叩催す。初心の行者は心前行後。久修の者は。 |
J09_0184A04: | 行前心後なり等。委く記主上人の了簡あり。近く西要抄上卷の終りの。諺註に出たりげにも五劫思惟。 |
J09_0184A05: | 兆載永劫に。打返し。打返し。熏し込たる本願の名 |
J09_0184A06: | 號なれば。唯此南無阿彌陀佛の聲のみぞ。御心には |
J09_0184A07: | 止るべけん曾て修行も思惟もましまさぬ。餘善諸行 |
J09_0184A08: | の聲とては。御耳にもかけ玉はず。さてこそ我等が |
J09_0184A09: | 命ちなる。此賜こそ貴けれ若夫佛通力ましまさずは。 |
J09_0184A10: | 祈禱念佛も。本願稱名も打ち聞く所の南無阿彌陀佛。 |
J09_0184A11: | の聲のけぢめは別れじを。聞聲自在の我か佛こそ。 |
J09_0184A12: | 阿那難有おぼえ侍れ思在于内色顯于外思風發 |
J09_0184A13: | 於胷憶言泉流於唇齒とて。唐の湖州に趙三官と云 |
J09_0184A14: | ふ商人あり。周生と共に南京へ商ひに行んと約束せ |
J09_0184A15: | しが。已に其日。趙三官夜深く出て。河口へ行き。 |
J09_0184A16: | 水手の張潮が舟に乘り。周生を待けるが。しばし睡 |
J09_0184A17: | れる程に。水手彼三官を殺して。海に沈め腰の金を |
J09_0184B18: | 劫盜し。高鼾して熟睡を詐り現す。所へ周生來る。 |
J09_0184B19: | 三官未來と思ひて水手をして呼しむ。水手三官か |
J09_0184B20: | 門を叩き其妻を呼起し。事の由を告れば。妻驚きて |
J09_0184B21: | 曰く。二時計りさきに。既に出つと。水手歸りて。周 |
J09_0184B22: | 生に告く。周生膽を潰し。舟より上りて。趙三官の |
J09_0184B23: | 妻と共に。三日が間。方方を尋ねけれとも。行方知 |
J09_0184B24: | れざりければ。周生思ふ樣。若此者出ざる時は必ず |
J09_0184B25: | 我か難に成りなんず。人に云はれぬ先に。此方より |
J09_0184B26: | 公儀へ申上んと思ひとり。此趣を有の儘に書付奉行 |
J09_0184B27: | へ訴へければ。役人評議して曰。趙三官か妻。貞節 |
J09_0184B28: | を亂り。密夫に殺させたる成べしと。されとも證據 |
J09_0184B29: | なかりける所に。揚平事と云ふ奉行。此趣を委しく |
J09_0184B30: | 聞き。判斷せられけるは。水手の者呼に來りし時。 |
J09_0184B31: | 門を叩き。趙三官を呼ずして。女房に聲をかけける |
J09_0184B32: | 事不審し。急ぎ此水手を僉議すべしとて。いろいろ |
J09_0184B33: | 拷問せられければ。終に白狀して。沈めし所より死 |
J09_0184B34: | 骸をさがし出せりと。是正しく女房を呼たる聲に付 |