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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0183A01: も非ず。智惠を磨けるにも非ず。只平に名號を唱へ
J09_0183A02: たる迄にて。別の修法はあらねとも。稱名が正定業
J09_0183A03: と成て。佛の本願に乘して往生を遂げたるなり。此
J09_0183A04: 等の類ひ。枚擧に遑あらず。又熊谷の蓮生。讃岐の
J09_0183A05: 源大夫。長明發心集に出伊豫の安西。鎌倉の平氏正信。此等
J09_0183A06: の人は。戒行もなく。智惠もなく。慈悲は申すに及
J09_0183A07: ばす。生涯の間。殺生劫盜を生活とせる。意樂起惡
J09_0183A08: の人なれとも。臨終に心を翻し。一脉に稱名して。
J09_0183A09: 現證あらたに。往生相違なきは。稱名念佛が。本願
J09_0183A10: の正定業なる譯も。いよいよ著し。大利讃に云く。
J09_0183A11: 一聲一念名號の。功德を云へば。恒河沙の。金銀瑠
J09_0183A12: 璃の妙塔を。成滿せるにも勝れたりと若それ寳塔起
J09_0183A13: 造を以て本願とし。佛像建立を以て本願とし。或は
J09_0183A14: 三寳供養を以て本願とし。或は布施持戒等の。諸善
J09_0183A15: を以て本願とし玉はば。貧賤孤獨の輩は。手を拱
J09_0183A16: て助る期あるべからず。爰を以て如來。平等の大悲。
J09_0183A17: 唯稱名を以て。衆生を攝取し玉ふ。故に大師は南無
J09_0183B18: 阿彌陀佛と申外には。別の子細なし。唯一向に念佛
J09_0183B19: すへしと。遺訓し玉へり。唯是往生の道には。本願
J09_0183B20: の稱名。正定業には及ぶものなき事は。此正定業は。
J09_0183B21: 如來の大悲心より。發し玉へる本願。生因の妙行な
J09_0183B22: るが故也。爰を以て。布施持戒造像起塔等の。疎雜の
J09_0183B23: 諸行。及ひ正の爲の。助業をも廢し。觀念義解の念佛
J09_0183B24: をも閣きて本願の稱名を勸進し。遺誓し玉ふ也已上捨閉閣抛
J09_0183B25: の。所以を辨じ畢ぬ。已下は唯稱を。本願とし玉へる由を明して。自然と唯稱の德義を述て。御遺訓の宗旨を結成す『誠に別
J09_0183B26: 願超世の名號は。佗力不思議のいはれにて。口に任て
J09_0183B27: 唱ふれば。聲に生死の罪消ぬと。古賢も稱讃し玉へり
J09_0183B28: 爰に蓮華谷云念在内言彰外行者信佛欣心深故出
J09_0183B29: 聲而唱南無阿彌陀佛也以此義故行者三業不離
J09_0183B30: 彌陀彌陀因中五劫思惟遙鑑此理發稱名願矣
J09_0183B31: 勝願院云凡夫行中稱名最勝所以然者雖修自餘妙
J09_0183B32: 行其心散漫而不相續其行難成唯稱名行常不忘
J09_0183B33: 佛故成决定業謂心忘佛時口稱名號其聲入我
J09_0183B34: 耳引起我心念心念若起此念亦助聲令唱佛名

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