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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0182A01: を捨て。西方を取る此一重は。觀經の光臺現土。又十方淨土隨願往生經の意也。又西方
J09_0182A02: 極樂往生の行に。正行あり雜行あり。雜行を捨て。
J09_0182A03: 正行を取る。雜行とは。行體人天三乘等に。通ずるが故に雜行と云ふ。爾るに彌陀の本願。並に三經の所説は。純一
J09_0182A04: 西方往生の正因正行にして。人天三乘等の行法なき故に正行と云。又雜行には。十三の失あるがゆへにこれを捨つ。又此正行
J09_0182A05: に就て。助業あり。正定業あり。助業を捨て。正定
J09_0182A06: 業を取る。此二重は。觀經の疏。散善義に出たり。已上は選擇集。及び御傳語燈ノ錄等に見ゆ。その正定
J09_0182A07: 業とは即是この本願念佛なり。本願の念佛を。正定
J09_0182A08: 業と云ふ事は。阿彌陀佛の因位。法藏菩薩の時。諸
J09_0182A09: 佛國土の。萬善萬行の中に於て。難を捨て易を取り。
J09_0182A10: 麁を捨て妙を取り。惡を捨て善を取り。有漏の人天
J09_0182A11: に生ずる。穢土不淸淨の行を選び捨て。唯淨土往生。
J09_0182A12: 成佛の行を選び取て。唯稱名念佛の一行を。正しき
J09_0182A13: 極樂往生の正因正行と定めて。本願に立玉ふ故に。
J09_0182A14: 是を唱へて往生を願ふ者は。正しく佛の本願に順し
J09_0182A15: て。十即十生。百即百生。萬に一も失せず。决定し
J09_0182A16: て往生するが故に。是を正定業とは云ふ也。今此御
J09_0182A17: 遺誓は。詮に就き要を取て。唯此正定業の。唯稱名
J09_0182B18: を宗旨とし玉ふ處なり。故に大師常に勸ての玉はく。
J09_0182B19: 本願の念佛には。ひとりだちをせさせて。すけをさ
J09_0182B20: さぬなり。すけといふは。智惠をもすけにさし。持
J09_0182B21: 戒をもすけにさし。道心をもすけにさし。慈悲をも
J09_0182B22: すけにさすなりと。爰を以て。選擇本願念佛とは定
J09_0182B23: め玉ふ也。故に選擇集に曰く。即今選捨前布施持戒
J09_0182B24: 乃至孝養父母等諸行而唯偏選取念佛一行爲往生
J09_0182B25: 本願と且つ標目には。阿彌陀如來不以餘行爲
J09_0182B26: 往生本願唯以念佛爲往生本願之文と云へり。又
J09_0182B27: 决疑鈔云定雖凝心理雖深微大心大行心行雖勝
J09_0182B28: 律儀孝道妙業雖貴望佛之本願念佛獨秀已上亦曰唯
J09_0182B29: 口稱一行獨順佛願故萬行中唯以念佛爲正業也
J09_0182B30: 云云この故に。本願念佛。獨立の例證を出さば。播州
J09_0182B31: 賀古の敎信。往生十因。釋書等出勢州御園村の英心。同國白子の
J09_0182B32: 玅照。及び法心。泉濱の妙祐等。日本往生全傳に出尾州海西郡
J09_0182B33: 北條村の。向譽西敎法子。緇白往生傳に出淨西法子。往生全傳此等
J09_0182B34: の人は。別に戒律を持つにも非ず。慈悲を行ずるに

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