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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0177A01: を迷亂す。偏にこれを渡世のはかりこととして。全
J09_0177A02: く來生のつみをかへりみず。かだましく一念の僞法
J09_0177A03: をひろめて。無行のとがを謝し。あまさへ無念の新
J09_0177A04: 義を立てなを一稱の小行をうしなふ。微善なりとい
J09_0177A05: へとも。善根におゐてあとをけづり。重罪なりとい
J09_0177A06: へとも。罪障におゐていよいよ勢ひをます。刹那五
J09_0177A07: 欲の樂をうけんがために。永劫三途の業をおそれ
J09_0177A08: す。人を敎示していはく。彌陀の願をたのむものは。
J09_0177A09: 五逆をはばかることなし。心にまかせてこれをつく
J09_0177A10: れ。袈裟を著すへからず。よろしく直垂をきるべし。
J09_0177A11: 婬肉を斷ずへからず。恣に鹿鳥を食すべし云云弘法大
J09_0177A12: 師。異生羝羊心を釋して云く。婬食をおもふ事。かの
J09_0177A13: 羝羊のごとし云云この輩ただ弊欲にふけること。偏にか
J09_0177A14: の類歟。十住心の中の三惡道の心なり。たれかあは
J09_0177A15: れまさらんや。たた餘敎を妨るのみにあらす。かへり
J09_0177A16: て念佛の行を失ふ。懈怠無慙の業をすすめて。捨戒
J09_0177A17: 還俗の義をしめす。この本朝には外道なしこれすて
J09_0177B18: に天魔のかまへなり。佛法を破滅し世人を惑亂す。
J09_0177B19: 妄語をかまへていはく。法然上人の七萬返の念佛は。
J09_0177B20: ただこれ外の方便なり。うちに實義あり。人いまた
J09_0177B21: これをしらず。所謂心に彌陀の本願をしれは。身かな
J09_0177B22: らす極樂に往生す淨土の業ここに滿足しぬ。このう
J09_0177B23: へに何ぞ一遍なりといふとも。重ねて名號を唱ふべ
J09_0177B24: きや。かの上人の禪坊におゐて。門人等二十人ありて
J09_0177B25: 秘義を談する所に。淺智の類は性鈍にしていまたさ
J09_0177B26: とらす。利根の輩はづかに五人。此深法を得たり。わ
J09_0177B27: れその一人なり。かの上人の己心中の奧義なり。容易
J09_0177B28: くこれをさづけす。うつはものをえらびて傳受せし
J09_0177B29: むへしと。云云風聞の説もし實ならは。皆以て虚言な
J09_0177B30: り。迷者をあはれまんか爲に。今誓言をたつ。貧道
J09_0177B31: もしこれを秘していつはりてこの旨をのべ。不實の
J09_0177B32: 事をしるさば。十方の三寳まさに知見をたれ毎日七
J09_0177B33: 萬返の念佛。むなしくその利益をうしなはん。圓頓
J09_0177B34: 行者のはしめより。實相を縁ずる六度萬行を修して。

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