浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0177A01: | を迷亂す。偏にこれを渡世のはかりこととして。全 |
J09_0177A02: | く來生のつみをかへりみず。かだましく一念の僞法 |
J09_0177A03: | をひろめて。無行のとがを謝し。あまさへ無念の新 |
J09_0177A04: | 義を立てなを一稱の小行をうしなふ。微善なりとい |
J09_0177A05: | へとも。善根におゐてあとをけづり。重罪なりとい |
J09_0177A06: | へとも。罪障におゐていよいよ勢ひをます。刹那五 |
J09_0177A07: | 欲の樂をうけんがために。永劫三途の業をおそれ |
J09_0177A08: | す。人を敎示していはく。彌陀の願をたのむものは。 |
J09_0177A09: | 五逆をはばかることなし。心にまかせてこれをつく |
J09_0177A10: | れ。袈裟を著すへからず。よろしく直垂をきるべし。 |
J09_0177A11: | 婬肉を斷ずへからず。恣に鹿鳥を食すべし云云弘法大 |
J09_0177A12: | 師。異生羝羊心を釋して云く。婬食をおもふ事。かの |
J09_0177A13: | 羝羊のごとし云云この輩ただ弊欲にふけること。偏にか |
J09_0177A14: | の類歟。十住心の中の三惡道の心なり。たれかあは |
J09_0177A15: | れまさらんや。たた餘敎を妨るのみにあらす。かへり |
J09_0177A16: | て念佛の行を失ふ。懈怠無慙の業をすすめて。捨戒 |
J09_0177A17: | 還俗の義をしめす。この本朝には外道なしこれすて |
J09_0177B18: | に天魔のかまへなり。佛法を破滅し世人を惑亂す。 |
J09_0177B19: | 妄語をかまへていはく。法然上人の七萬返の念佛は。 |
J09_0177B20: | ただこれ外の方便なり。うちに實義あり。人いまた |
J09_0177B21: | これをしらず。所謂心に彌陀の本願をしれは。身かな |
J09_0177B22: | らす極樂に往生す淨土の業ここに滿足しぬ。このう |
J09_0177B23: | へに何ぞ一遍なりといふとも。重ねて名號を唱ふべ |
J09_0177B24: | きや。かの上人の禪坊におゐて。門人等二十人ありて |
J09_0177B25: | 秘義を談する所に。淺智の類は性鈍にしていまたさ |
J09_0177B26: | とらす。利根の輩はづかに五人。此深法を得たり。わ |
J09_0177B27: | れその一人なり。かの上人の己心中の奧義なり。容易 |
J09_0177B28: | くこれをさづけす。うつはものをえらびて傳受せし |
J09_0177B29: | むへしと。云云風聞の説もし實ならは。皆以て虚言な |
J09_0177B30: | り。迷者をあはれまんか爲に。今誓言をたつ。貧道 |
J09_0177B31: | もしこれを秘していつはりてこの旨をのべ。不實の |
J09_0177B32: | 事をしるさば。十方の三寳まさに知見をたれ毎日七 |
J09_0177B33: | 萬返の念佛。むなしくその利益をうしなはん。圓頓 |
J09_0177B34: | 行者のはしめより。實相を縁ずる六度萬行を修して。 |