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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0176A01: 用と云云。又拾遺漢語灯ノ錄に云。上人與フル鎭西ニ書ニ云ク金剛寳誡章ハ是レ爲書ナリ也。予不製セ如ノ是ノ書ヲ。釋迦彌陀ヲ以テ爲ト證明ト。
J09_0176A02: 云云これなり。善導の雜行を制して專修をすすめ給ふ
J09_0176A03: は。しはらく初心の行人のためなり。さらに實義に
J09_0176A04: あらず。これすなはち相傳なりと。云云此眞僞をあき
J09_0176A05: らめんが爲に。元久二年三月門弟度脱房を使として
J09_0176A06: 書狀を上人に進するに。件の兩條委しくこれをかき
J09_0176A07: のせて。むかし座下に侍りしに。漢家の先賢。淨土
J09_0176A08: の法門を釋するに。その義蘭菊なれとも。善導の御意
J09_0176A09: は。彌陀の本願の專修正行。これ往生極樂の正路こ
J09_0176A10: の宗の元意なるよし常に仰を承はりき。いまたかく
J09_0176A11: のこときのことをきかず。これ機なを熟せざるゆへに。
J09_0176A12: 御敎訓を蒙らざるか。はやく一宗の狼籍をとどめ末
J09_0176A13: 代の念佛を印持せんがために。御在世のとき是非を
J09_0176A14: 决斷し。御證判を給りて。專修の一行をたてんとお
J09_0176A15: もふ。取意略抄ここに上人手づから筆をそめて。彼狀に勘
J09_0176A16: 付せられていはく。已上二箇條以外僻事也源空如是
J09_0176A17: 事不申候以釋迦彌陀爲證更如然僻事所不申
J09_0176B18: 候也云云上人自筆の誓文。末代念佛の龜鏡也。彼書い
J09_0176B19: ままさしく世にあり。たれかこれをうたがはん。こ
J09_0176B20: の相傳の義。すこぶる信受するにたれるもの歟と。
J09_0176B21: 翼賛を見るへし是又文面明かに。一念義の邪流より興起した
J09_0176B22: る事也。委しくは翼賛に出たり。漢語灯ノ錄第十一の卷と。今と同し。念佛名義集中卷已下に。一念義邪徒の敎勸の樣あ
J09_0176B23: り。三心要集には。三人の邪義を出して。是全く法然上人の御義に非ずと。梵釋四王を以て證として誓言し玉へり。これは鎭西上人の誓言
J09_0176B24: 也。但し一人の義は。安心門。起行門。又一人の義は行門。觀門。弘願門。又一人の義は。寂光土の往生の義。殊勝なりと。云云○
J09_0176B25: 第三の起請文は。大師配流の後。成覺房の弟子。善
J09_0176B26: 心房。念佛名義集には。親鸞の事也とあり。と云へる僧。越後の國にして。
J09_0176B27: 一念義を立けるを。光明房と云へる者不得心の事に
J09_0176B28: 思ひて。承元三年土御門院の年號。大師御歳七十七。六月消息を以て。大
J09_0176B29: 師へ尋遣す。光明房の狀に付て。即ち一念義停止の。
J09_0176B30: 起請文を定められける狀に云く。御傳廿九之卷なり。此狀九卷傳中之卷第六之下。
J09_0176B31: 及び漢語灯ノ錄第十之卷に具なり。今の文は甚た畧也當世念佛門に趣く。行人等の中
J09_0176B32: に。多く無智誑惑の輩ありて。いまだ一宗の廢立を
J09_0176B33: しらず。一法の名目に及はず。心に道心なく身に利養
J09_0176B34: をもとむ。これによつて。恣に妄語をかまへて諸人

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