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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0175A01: 御誓言より下は。起行を勸め玉ふ也。故に奧書に至
J09_0175A02: て。淨土宗の安心起行。この一紙に至極せりと示し
J09_0175A03: 玉ふ也。安心の誓言起請の時は。もろこしわか朝よ
J09_0175A04: りもれ候へしとよむべし。起行の誓言起請の時は。こ
J09_0175A05: の外にをくふかきより。たた一向に念佛すへしとよ
J09_0175A06: むべし。是安心と起行との中間に。誓言起請をさし
J09_0175A07: はさんで。前の安心を决し。後の起行を引發し玉ふ
J09_0175A08: 事勸進の妙絶大悲の善巧也。『扨又大師の御在世。誓
J09_0175A09: 言五箇度に及へとも。共に皆是唯稱名往生の外他な
J09_0175A10: しとの御誓言兼ては在世滅後の邪義を防がんが爲也
J09_0175A11: とぞ○第一の起請は。人王八十三帝。土御門院。元
J09_0175A12: 久元甲子大師御歳七十二南都北嶺の衆徒。念佛の興行をとが
J09_0175A13: め。化導を障碍するに付て。門徒の非異を防がんか
J09_0175A14: 爲に七箇條の制誡を立て玉ふ。即ち御傳第三十一之
J09_0175A15: 卷に載る處是也。本紙二尊院に現在せり。漢語灯ノ錄第十卷に寫し出せり。洞空和上の淨土護法論に附錄す
J09_0175A16: 又和語灯錄第二の卷にもあり。熟讀して能心得べし。是唱導師の專要なり。必ず看過する事なかれ。又座主に進せ
J09_0175A17: らるる起請文云く。乃至上件の子細。一事一言。虚言
J09_0175B18: をもちて會釋をまうけば。毎日七萬遍の念佛。むな
J09_0175B19: しくその利をうしなひ。三途に墮在して。現當二世
J09_0175B20: の依身常に重苦に沉て。永く楚毒をうけん。伏乞當
J09_0175B21: 寺の諸尊。中堂の藥師如來を始め滿山の護法。山王七社を始として證明知見
J09_0175B22: したまへ。源空敬白。元久元年十一月七日源空と。
J09_0175B23: 如是起請誓言を添て。大僧正眞性へ進ぜらる。此七
J09_0175B24: 條制誡の根元は。一念の邪徒。肉食女犯を作して。
J09_0175B25: 數遍の稱名をなみし。他宗を謗り餘佛菩薩を輕蔑し。
J09_0175B26: 惡行亂法なりし其源は專修念佛の興行より出たり
J09_0175B27: と。弟子の惡行を師匠に蒙らしめ。南北より念佛の
J09_0175B28: 弘通を停止せんと。訴訟蜂起したるに因て。此七箇
J09_0175B29: 條の起請を立玉へり○第二の起請文は。同土御門院。
J09_0175B30: 元久二年の頃。鎭西に於て一念義興盛しけるに付て。
J09_0175B31: 聖光上人より大師へ尋て云く。御傳四十六の卷。即ち鎭西の傳也ここに
J09_0175B32: ある學者。上人の門弟と號して。淨土甚深の秘義は
J09_0175B33: 天台圓融の法門に同し。これ此宗の最底なり。又密
J09_0175B34: 密の口傳あり。金剛寳戒山公の云く。今世に金剛寳戒章と名付るもの三卷あり。乃至全く不可

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