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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0174A01: 報土に引接し玉はん事何の疑ひか是あらん。されば
J09_0174A02: 誰誰も。必す日課念佛の正業を誓約して。後の世の
J09_0174A03: つととし玉ふへし。正に念佛は彌陀の本願釋尊の勸
J09_0174A04: 誘。諸佛證誠の玅法也。導師は口稱三昧發得して。
J09_0174A05: 定善には廣顯念佛三昧竟と判し。散善には念佛三昧
J09_0174A06: 功能超絶と定め玉へば。今更になをさりならぬ。起
J09_0174A07: 請誓言の御遺訓甚た以て尊信するに足れり。『扨御遺
J09_0174A08: 訓の躰性とする。起請誓言とは。本文に。このこのとは唯往
J09_0174A09: 生極樂の爲に。南無阿彌陁佛と申外に。別の子細なしと。並に唯一向に念佛すべしと云ふをさす。其所由は。安心と起行とをかけての
J09_0174A10: 誓言なれば也。次下に辨ずるが如し。知るべし云云外に奧深きことを存せは二尊の憐
J09_0174A11: にはつれ本願にもれ候へしとの玉へる。是其起請誓
J09_0174A12: 言也。今此誓言の根基を推すに。先彌陀如來は。廣
J09_0174A13: く一切衆生。往生極樂の爲に。六八超世の大願を立
J09_0174A14: ての玉はく。斯願若尅果大千應感動虚空諸天人當
J09_0174A15: 雨珍妙華と。起請誓言なし玉ふに。應時普地六
J09_0174A16: 種震動天雨妙華以散其上自然音樂空中讃言决定
J09_0174A17: 必成無上正覺と。大會を驚動せしかば釋尊は如是
J09_0174B18: 大願誠諦不虚超出世間と讃説し。御自誓の願我來
J09_0174B19: 世得菩提時。宣説彌陀功德法門の。本願に報へて。
J09_0174B20: 我見是利。故説此言應當發願。生彼國土と。激誓の
J09_0174B21: 妙音を擧て勸發し玉へば。六方河沙の諸佛は。舌を
J09_0174B22: 大千世界に舒て。執持名號即得往生と。除疑生信の
J09_0174B23: 誓言。起請墨判明白に。汝等衆生。當信是稱讃。不
J09_0174B24: 可思議功德名號と。異口同音に。三千大千世界を。
J09_0174B25: 同心同勸し玉へり。故に導師は。衆生稱念。必得往
J09_0174B26: 生。證誠斯事と判じ玉ふ。爰を以て今大師は。ただ
J09_0174B27: 往生極樂のためには南無阿彌陀佛と申て疑ひなく往
J09_0174B28: 生するそと思ひとりて申外には別の子細候はす但し
J09_0174B29: 三心四修と申ことの候はみな决定して南無阿彌陀佛に
J09_0174B30: て往生するそと思ふ内にこもり候なりこの外に奧
J09_0174B31: ふかきことを存せは二尊の憐にはつれ本願にもれ候
J09_0174B32: へしと。往生極樂の一大事に於ては。安心も起行も。
J09_0174B33: 全く別の子細なし。只南無阿彌陀佛と申べしとの誓
J09_0174B34: 言起請也。さればこそ御誓言より上は。安心を示し。

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