浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0174A01: | 報土に引接し玉はん事何の疑ひか是あらん。されば |
J09_0174A02: | 誰誰も。必す日課念佛の正業を誓約して。後の世の |
J09_0174A03: | つととし玉ふへし。正に念佛は彌陀の本願釋尊の勸 |
J09_0174A04: | 誘。諸佛證誠の玅法也。導師は口稱三昧發得して。 |
J09_0174A05: | 定善には廣顯念佛三昧竟と判し。散善には念佛三昧 |
J09_0174A06: | 功能超絶と定め玉へば。今更になをさりならぬ。起 |
J09_0174A07: | 請誓言の御遺訓甚た以て尊信するに足れり。『扨御遺 |
J09_0174A08: | 訓の躰性とする。起請誓言とは。本文に。このこのとは唯往 |
J09_0174A09: | 生極樂の爲に。南無阿彌陁佛と申外に。別の子細なしと。並に唯一向に念佛すべしと云ふをさす。其所由は。安心と起行とをかけての |
J09_0174A10: | 誓言なれば也。次下に辨ずるが如し。知るべし云云外に奧深きことを存せは二尊の憐 |
J09_0174A11: | にはつれ本願にもれ候へしとの玉へる。是其起請誓 |
J09_0174A12: | 言也。今此誓言の根基を推すに。先彌陀如來は。廣 |
J09_0174A13: | く一切衆生。往生極樂の爲に。六八超世の大願を立 |
J09_0174A14: | ての玉はく。斯願若尅果大千應感動虚空諸天人當 |
J09_0174A15: | 雨珍妙華と。起請誓言なし玉ふに。應時普地六 |
J09_0174A16: | 種震動天雨妙華以散其上自然音樂空中讃言决定 |
J09_0174A17: | 必成無上正覺と。大會を驚動せしかば釋尊は如是 |
J09_0174B18: | 大願誠諦不虚超出世間と讃説し。御自誓の願我來 |
J09_0174B19: | 世得菩提時。宣説彌陀功德法門の。本願に報へて。 |
J09_0174B20: | 我見是利。故説此言應當發願。生彼國土と。激誓の |
J09_0174B21: | 妙音を擧て勸發し玉へば。六方河沙の諸佛は。舌を |
J09_0174B22: | 大千世界に舒て。執持名號即得往生と。除疑生信の |
J09_0174B23: | 誓言。起請墨判明白に。汝等衆生。當信是稱讃。不 |
J09_0174B24: | 可思議功德名號と。異口同音に。三千大千世界を。 |
J09_0174B25: | 同心同勸し玉へり。故に導師は。衆生稱念。必得往 |
J09_0174B26: | 生。證誠斯事と判じ玉ふ。爰を以て今大師は。ただ |
J09_0174B27: | 往生極樂のためには南無阿彌陀佛と申て疑ひなく往 |
J09_0174B28: | 生するそと思ひとりて申外には別の子細候はす但し |
J09_0174B29: | 三心四修と申ことの候はみな决定して南無阿彌陀佛に |
J09_0174B30: | て往生するそと思ふ内にこもり候なりこの外に奧 |
J09_0174B31: | ふかきことを存せは二尊の憐にはつれ本願にもれ候 |
J09_0174B32: | へしと。往生極樂の一大事に於ては。安心も起行も。 |
J09_0174B33: | 全く別の子細なし。只南無阿彌陀佛と申べしとの誓 |
J09_0174B34: | 言起請也。さればこそ御誓言より上は。安心を示し。 |