浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0168A01: | 興の所詮は。生死の大海に舟を得たるが如く。つか |
J09_0168A02: | み付て乘より外の手段なし。されは一向稱名するそ。 |
J09_0168A03: | 本願には叶ふべかめる『さて此但信稱名に付て。異 |
J09_0168A04: | 途區區なるを防がんが爲の。起請誓言そと見解し。 |
J09_0168A05: | 治定し侍れ。その故は。本文に淨土宗の安心起行。 |
J09_0168A06: | 此一紙に至極せり。源空が所存。此外に全く別義を |
J09_0168A07: | 存ぜす。滅後の邪義を防がんが爲に。所存をしるし |
J09_0168A08: | 畢と筆を止玉へり。又勢觀上人の奧書には門人邪義 |
J09_0168A09: | 存人多上人滅後尚以猥異義依之雖病床臥給此一 |
J09_0168A10: | 紙申請處也爲令不殘疑滯上人御自筆御判形令 |
J09_0168A11: | 注置給處如件。正月廿八日源智としるせり。爰に |
J09_0168A12: | 知る破邪顯正のいちじるき事を。爾れば御遺訓に違 |
J09_0168A13: | 背する勸化は。世の中の。現せ求願の。祈禱念佛は。即ち欲生我國の文に戾り。亦二世安樂。御禮など云る紛 |
J09_0168A14: | 擾は。みな悉く本願に背ける勸化なり。流弊種種轉計せり。糺明すべし此御遺誡恐らくはのがれ |
J09_0168A15: | 難し。兼ては本願不簡擇の旨を。末代へ弘通せしめ |
J09_0168A16: | 玉ふを。敎興とすとは。謂く機に依り。人に依て色 |
J09_0168A17: | 想觀の成る人尋常佛像を安置して。瞻禮觀想するたぐひもあり。又佛像拜瞻 |
J09_0168B18: | の便りなき人乞食貧窮のもの或は晝夜の分ちなく。主君につかへ。或は常に旅行する輩ら。其外種種渡世にかか |
J09_0168B19: | り。暇なき類ヒもあり。しかあるに色想觀を專らに敎勸し玉 |
J09_0168B20: | はば。終に人選びするに成りぬ。此故に大師の所勸 |
J09_0168B21: | は。無觀無解。但信の稱名也。それ故文に。觀念の |
J09_0168B22: | 念にもあらす。念の心をさとりて申念佛にもあらず |
J09_0168B23: | と。觀解を廢斥して。たた往生極樂のためには。南 |
J09_0168B24: | 無阿彌陀佛と申外には。別の子細候はすとは。是豈 |
J09_0168B25: | 不簡擇に非ずや。諸師の念佛勸進は。兎角機の簡別 |
J09_0168B26: | にわたる。大師は本願の文に。十方衆生と。簡別な |
J09_0168B27: | く誓ひ玉ふを。眼と悟り玉へり。それ故本願の念佛 |
J09_0168B28: | にはひとりたちをせさせて助をささぬなりと常常宣 |
J09_0168B29: | へり。謂く戒行の持犯に滯らず。人機の善惡を論ぜ |
J09_0168B30: | す。信心の強弱を沙汰せず。忘念の起不起を云はず。 |
J09_0168B31: | 在家出家の分ちなく。唯口に任せて。南無阿彌陀佛 |
J09_0168B32: | と唱ふれば。直ちに本願に引立られて。决定極樂に往 |
J09_0168B33: | 生する事を知らしめんと思し召す。大悲熏習の御心 |
J09_0168B34: | より。事起りたる御遺誓の嚴敎なり。故に本文にたた |