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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0166A01: 渡りに舟を得たるが如く。渴して水を呑が如くに。
J09_0166A02: 信受奉行すべきをや。されば門徒の非を防ぎ。諸師
J09_0166A03: の異を揀ぶ事。至れり盡せり。非を防ぐとは。一念
J09_0166A04: 義を禁誡し。或は觀門。行門。弘願門とたて。或は寂光土の往生をすすめ。或は安心門起行門をたてて。安心門の往
J09_0166A05: 生こそ勝れたり。學問をせよと勸む。委くは流祖の名義集。三心要集。名目問答等を。披き看るべし。諸師の異を揀
J09_0166A06: ぶとは。觀念理事。學解等を斥ひ除き玉ふ事。偏に
J09_0166A07: 是溺水之人。急須偏救のいはれ。大聖悲憐直勸專稱
J09_0166A08: 名字の急用にして。以無縁慈攝諸衆生の秘術。大慈大
J09_0166A09: 悲。終極の敎興門也。仰き願くは。淨門の知識等。
J09_0166A10: よく思量し玉へ。吾大師上人は。安養淨刹の敎主。
J09_0166A11: 亦は勢至薩埵の權跡を示し。幼年の昔より衰老の中
J09_0166A12: 頃に至る迄。偏に出離の要道を求め一代藏敎を暗ん
J09_0166A13: し善導の疏文に歸し。自行化陀。唯一向口稱念佛な
J09_0166A14: り。故に語燈錄に云上人の給はく。淨土の人師おほ
J09_0166A15: しといへども。みな菩提心をすすめて。觀察をもて
J09_0166A16: 正とす。ただ善導一師のみ。菩提心なくして觀察を
J09_0166A17: もて稱名の助業と判ず。當世の人。善導の意によら
J09_0166B18: ずは。たやすく往生をうべからす。曇鸞道綽懷感等
J09_0166B19: みな。相承の人師なりといへども。義におゐてはいま
J09_0166B20: だかならずしも一凖ならす。よくよくこれを分別す
J09_0166B21: へし。この旨をわきまへずは。往生の難易におゐて。
J09_0166B22: 存知しかたきものなり已上拾遺漢語灯第十一卷今と全く同し●廿八丁惣して大
J09_0166B23: 師一生。敎勸の本意は。無觀無解宗旨門に至て。細談すべし。の伹信
J09_0166B24: 稱名を。專修し專勸し玉ふにあり。別して此御遺訓
J09_0166B25: は。助業といへとも尚廢捨して。正中の正を遺屬し
J09_0166B26: 玉へる。起請文ぞと知べし。故に常常自から仰せに
J09_0166B27: 宣はく。ゑぼしもきざる男なり。十惡の法然房。愚
J09_0166B28: 癡の法然房。東西をわきまへざるがことくにして。
J09_0166B29: ひたすらに稱名して。往生を待ばかりなり。と又年
J09_0166B30: ころ日頃習ひたる智惠は。ものの用にもたたず。さ
J09_0166B31: れともならひたる甲斐にはかくのごとくしりたるは
J09_0166B32: はかりなぎ事なり。と是誰が爲ぞや。偏に我等愚昧
J09_0166B33: の衆生を。引導せんが爲ならずや。さればいかなる
J09_0166B34: 愚昧無智の者なりとも。此一紙を目にさらし。耳に

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