浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0166A01: | 渡りに舟を得たるが如く。渴して水を呑が如くに。 |
J09_0166A02: | 信受奉行すべきをや。されば門徒の非を防ぎ。諸師 |
J09_0166A03: | の異を揀ぶ事。至れり盡せり。非を防ぐとは。一念 |
J09_0166A04: | 義を禁誡し。或は觀門。行門。弘願門とたて。或は寂光土の往生をすすめ。或は安心門起行門をたてて。安心門の往 |
J09_0166A05: | 生こそ勝れたり。學問をせよと勸む。委くは流祖の名義集。三心要集。名目問答等を。披き看るべし。諸師の異を揀 |
J09_0166A06: | ぶとは。觀念理事。學解等を斥ひ除き玉ふ事。偏に |
J09_0166A07: | 是溺水之人。急須偏救のいはれ。大聖悲憐直勸專稱 |
J09_0166A08: | 名字の急用にして。以無縁慈攝諸衆生の秘術。大慈大 |
J09_0166A09: | 悲。終極の敎興門也。仰き願くは。淨門の知識等。 |
J09_0166A10: | よく思量し玉へ。吾大師上人は。安養淨刹の敎主。 |
J09_0166A11: | 亦は勢至薩埵の權跡を示し。幼年の昔より衰老の中 |
J09_0166A12: | 頃に至る迄。偏に出離の要道を求め一代藏敎を暗ん |
J09_0166A13: | し善導の疏文に歸し。自行化陀。唯一向口稱念佛な |
J09_0166A14: | り。故に語燈錄に云上人の給はく。淨土の人師おほ |
J09_0166A15: | しといへども。みな菩提心をすすめて。觀察をもて |
J09_0166A16: | 正とす。ただ善導一師のみ。菩提心なくして觀察を |
J09_0166A17: | もて稱名の助業と判ず。當世の人。善導の意によら |
J09_0166B18: | ずは。たやすく往生をうべからす。曇鸞道綽懷感等 |
J09_0166B19: | みな。相承の人師なりといへども。義におゐてはいま |
J09_0166B20: | だかならずしも一凖ならす。よくよくこれを分別す |
J09_0166B21: | へし。この旨をわきまへずは。往生の難易におゐて。 |
J09_0166B22: | 存知しかたきものなり已上拾遺漢語灯第十一卷今と全く同し●廿八丁惣して大 |
J09_0166B23: | 師一生。敎勸の本意は。無觀無解宗旨門に至て。細談すべし。の伹信 |
J09_0166B24: | 稱名を。專修し專勸し玉ふにあり。別して此御遺訓 |
J09_0166B25: | は。助業といへとも尚廢捨して。正中の正を遺屬し |
J09_0166B26: | 玉へる。起請文ぞと知べし。故に常常自から仰せに |
J09_0166B27: | 宣はく。ゑぼしもきざる男なり。十惡の法然房。愚 |
J09_0166B28: | 癡の法然房。東西をわきまへざるがことくにして。 |
J09_0166B29: | ひたすらに稱名して。往生を待ばかりなり。と又年 |
J09_0166B30: | ころ日頃習ひたる智惠は。ものの用にもたたず。さ |
J09_0166B31: | れともならひたる甲斐にはかくのごとくしりたるは |
J09_0166B32: | はかりなぎ事なり。と是誰が爲ぞや。偏に我等愚昧 |
J09_0166B33: | の衆生を。引導せんが爲ならずや。さればいかなる |
J09_0166B34: | 愚昧無智の者なりとも。此一紙を目にさらし。耳に |