浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0157A01: | なれば也・起請とは二尊を證に取て・往生の大益を |
J09_0157A02: | かけたる誓言なれば也・葢し起請の名は上人の御素 |
J09_0157A03: | 意に本づき・一枚の二字は後人の喚ところなり・九 |
J09_0157A04: | 卷傳に勢觀上人敢て披露せず・一期の間頸に掛て秘 |
J09_0157A05: | 藏せられけるを・年來師檀の契り淺からざりける・ |
J09_0157A06: | 川合の法眼に語り聞へけるを・懇切に望み申ければ |
J09_0157A07: | 授けられてより以來・世間に披露して・上人の一枚 |
J09_0157A08: | 消息と云へるもの也とあり・抑抑起請文の趣き・一 |
J09_0157A09: | 宗の奧旨を述玉へば・一旦に解し難ければ・愸に註 |
J09_0157A10: | 解を加へず・されども此御詞の外に・別に習ひ事も |
J09_0157A11: | 義理もありと云はは御誓言は無用になりぬ・若此外 |
J09_0157A12: | に更に深旨を存ずるは・一宗の法門を學ばざる人也 |
J09_0157A13: | 能能一家の書を披き・安心起行の旨趣を心得て後・ |
J09_0157A14: | 初て一宗の奧義・此一紙を出ざる事を信知すべし・ |
J09_0157A15: | 既に此外に奧ふかきことを存せは・二尊の憐にはつれ |
J09_0157A16: | 本願にもれ候へしと・ちかごとなし玉ふ上は・たと |
J09_0157A17: | ひ宗義を學せざる人も・初より信の手をのべて・此 |
J09_0157B18: | 一紙を翫ばば・其功久學と一揆なるべし・上人は道 |
J09_0157B19: | 心深き御身にして・往生を一大事と思せしすら・夫 |
J09_0157B20: | をかけての御誓言なれば・努努疑ふべからず・信し |
J09_0157B21: | ても尚餘りあり「又和語灯錄第一之卷に・御誓言の |
J09_0157B22: | 書と題して・もろこしわか朝・乃至一向に念佛すへし |
J09_0157B23: | これは御自筆の書なり・勢觀上人にさづけられきと |
J09_0157B24: | あり・今世に流布する所の一枚起請文これ也・又第五 |
J09_0157B25: | 之卷に・諸人傳説の詞と題して・鎭西上人傳説の法 |
J09_0157B26: | 語を擧ぐる處の・法語に云・念佛往生と申ことは・もろ |
J09_0157B27: | こしわが朝の・もろもろの智者たちの沙汰し申さる |
J09_0157B28: | る・觀念の念にもあらず・又學問をして・念佛の心 |
J09_0157B29: | をさとりとをして・申す念佛にもあらず・ただ極樂 |
J09_0157B30: | 往生せんがために・南無阿みた佛と申て・うたかひ |
J09_0157B31: | なく往生するぞとおもひとりて申外に別の事なし・ |
J09_0157B32: | ただし三心ぞ四修ぞなど申事の候は・みな南無あみ |
J09_0157B33: | た佛にて・决定して往生するぞと思ふ内におさまれ |
J09_0157B34: | り・ただ南無阿彌陀佛と申せは・决定して往生する |