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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0157A01: なれば也・起請とは二尊を證に取て・往生の大益を
J09_0157A02: かけたる誓言なれば也・葢し起請の名は上人の御素
J09_0157A03: 意に本づき・一枚の二字は後人の喚ところなり・九
J09_0157A04: 卷傳に勢觀上人敢て披露せず・一期の間頸に掛て秘
J09_0157A05: 藏せられけるを・年來師檀の契り淺からざりける・
J09_0157A06: 川合の法眼に語り聞へけるを・懇切に望み申ければ
J09_0157A07: 授けられてより以來・世間に披露して・上人の一枚
J09_0157A08: 消息と云へるもの也とあり・抑抑起請文の趣き・一
J09_0157A09: 宗の奧旨を述玉へば・一旦に解し難ければ・愸に註
J09_0157A10: 解を加へず・されども此御詞の外に・別に習ひ事も
J09_0157A11: 義理もありと云はは御誓言は無用になりぬ・若此外
J09_0157A12: に更に深旨を存ずるは・一宗の法門を學ばざる人也
J09_0157A13: 能能一家の書を披き・安心起行の旨趣を心得て後・
J09_0157A14: 初て一宗の奧義・此一紙を出ざる事を信知すべし・
J09_0157A15: 既に此外に奧ふかきことを存せは・二尊の憐にはつれ
J09_0157A16: 本願にもれ候へしと・ちかごとなし玉ふ上は・たと
J09_0157A17: ひ宗義を學せざる人も・初より信の手をのべて・此
J09_0157B18: 一紙を翫ばば・其功久學と一揆なるべし・上人は道
J09_0157B19: 心深き御身にして・往生を一大事と思せしすら・夫
J09_0157B20: をかけての御誓言なれば・努努疑ふべからず・信し
J09_0157B21: ても尚餘りあり「又和語灯錄第一之卷に・御誓言の
J09_0157B22: 書と題して・もろこしわか朝・乃至一向に念佛すへし
J09_0157B23: これは御自筆の書なり・勢觀上人にさづけられきと
J09_0157B24: あり・今世に流布する所の一枚起請文これ也・又第五
J09_0157B25: 之卷に・諸人傳説の詞と題して・鎭西上人傳説の法
J09_0157B26: 語を擧ぐる處の・法語に云・念佛往生と申ことは・もろ
J09_0157B27: こしわが朝の・もろもろの智者たちの沙汰し申さる
J09_0157B28: る・觀念の念にもあらず・又學問をして・念佛の心
J09_0157B29: をさとりとをして・申す念佛にもあらず・ただ極樂
J09_0157B30: 往生せんがために・南無阿みた佛と申て・うたかひ
J09_0157B31: なく往生するぞとおもひとりて申外に別の事なし・
J09_0157B32: ただし三心ぞ四修ぞなど申事の候は・みな南無あみ
J09_0157B33: た佛にて・决定して往生するぞと思ふ内におさまれ
J09_0157B34: り・ただ南無阿彌陀佛と申せは・决定して往生する

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