浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0156A01: | 世に異なる事あらんや・遺訓門畢・ |
J09_0156A02: | 第二縁起門 既に遺訓の信ずへき事を知ぬ・次で今 |
J09_0156A03: | 此御遺訓の起請文は如何なる因縁によりて起れるぞ |
J09_0156A04: | とならば洪鐘雖響必待扣而方鳴と・一切の法は縁 |
J09_0156A05: | より起らずと云ふ事なし・此故に第二に此門を立る |
J09_0156A06: | 也・惣して廣く沙汰すれば・一切衆生出離生死・往生 |
J09_0156A07: | 極樂の大道を・顯示し玉はんが爲なり・別して論ずれ |
J09_0156A08: | は大師所勸の・本願念佛を・末代へ弘通し・背宗背師 |
J09_0156A09: | の邪義及び滅後の邪義を防ぎ・宗の正統を・永く世に |
J09_0156A10: | 傳へんが爲なり・此故に勢觀上人の傳に云・上人終焉 |
J09_0156A11: | の期ちかづき給て・勢觀房・源智上人なり・備中守師盛朝臣の息・小松の内府重盛の孫 |
J09_0156A12: | なり・平家逆亂の後は・世の憚りを恐れて・母儀これを隱しをきけるを・建久六年・生年十三歳の時・上人に進ず・上人これを慈鎭和尚に |
J09_0156A13: | 進〓られにけり・彼門室にして出家を遂をはりぬ・幾程なくて上人の禪室に歸參し・常隨給仕し玉へる事・首尾十八箇年に及びぬ・上人憐 |
J09_0156A14: | 愍覆護他に異にして・淨土の法門を敎示し・圓頓戒この人をもちて附屬なし玉ひぬ・よりて道具本尊坊舍聖敎殘る所なくこれを相承せられ |
J09_0156A15: | き念佛の安心・年來御敎誡にあづかるといへども・ |
J09_0156A16: | なを御自筆に肝要の御所存・ひとふであそばされて |
J09_0156A17: | たまはりて・のちの御かたみにそなへん侍らんと申 |
J09_0156B18: | されたりければ・御筆をそめられける狀に云く・も |
J09_0156B19: | ろこしわが朝に・もろもろの智者たちの・沙汰し申 |
J09_0156B20: | さるる觀念の念にもあらず・又學問をして念佛の心 |
J09_0156B21: | をさとりなとして申念佛にもあらす・ただ往生極樂 |
J09_0156B22: | のためには南無あみた佛と申て疑ひなく往生するぞ |
J09_0156B23: | とおもひとりて申ほかには・別の子細さふらはす・ |
J09_0156B24: | ただし三心四修などど申ことの候は・皆决定して・南 |
J09_0156B25: | 無阿彌陀佛にて・往生するぞとおもふうちにこもり |
J09_0156B26: | 候なり・このほかにおくふかきことを存せは・二尊の |
J09_0156B27: | 憐にはつれ・本願にもれ候へし・念佛を信せん人は |
J09_0156B28: | たとひ一代の法を・よくよく學せりとも・一文不知 |
J09_0156B29: | の愚鈍の身になして・尼入道の無智のともからに同 |
J09_0156B30: | して・智者のふるまひをせすして・たた一向に念佛 |
J09_0156B31: | すへしと云云まさしき御自筆の書なり・まことに末 |
J09_0156B32: | 代の龜鏡にたれるものか・上人の一枚消息となづけ |
J09_0156B33: | て世に流布するこれなり・と翼賛に云・此御自筆の |
J09_0156B34: | 御消息 |