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J1360 一枚起請文梗概聞書 関通 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0155A01: に流浪せん事必せり・仰て御遺誓の一紙を守り・一
J09_0155A02: 向稱名相續して・往生極樂の本懷を遂玉ふべし・「倩
J09_0155A03: 倩思ふに・吾大師上人も・父時國の遺命をきつと守
J09_0155A04: り・出家學道し玉ひし故に・終に四荒八極に功名を
J09_0155A05: ほどこし・迷徒をして同く淨土へ往生し・蓮臺の覺
J09_0155A06: 果に心を澄しめ玉ふに非ずや・勅修御傳第一に云・
J09_0155A07: 時國ふかく疵をかうふりて・死門にのぞむとき・九
J09_0155A08: 歳の小兒にむかひていはく・汝さらに會稽の恥をお
J09_0155A09: もひ・敵人をうらむる事なかれ・これ偏に先世の宿
J09_0155A10: 業なり・もし遺恨をむすばば・そのあた世世につき
J09_0155A11: がたかるべし・しかじはやく俗をのがれ・家を出て我
J09_0155A12: 菩提をとふらひ・みづからの解脱を求んにはといひ
J09_0155A13: て・端坐して西にむかひ・合掌して佛を念し・眠る
J09_0155A14: がごとくして・息絶にけりと・亡父の遺命によて・初
J09_0155A15: め菩提寺の觀覺得業のもとに到り・乃至皇圓の室に
J09_0155A16: 入り・出家の本意をとげ・いよいよ出離の志し親切
J09_0155A17: にして・名利の學業を厭ひ・十八歳の時・師のもと
J09_0155B18: を辭し・久安六年九月十二日・西塔黑谷の・慈眼房
J09_0155B19: 叡空の廬りに至りて・幼稚の昔より・成人の今に至
J09_0155B20: るまで父の遺言忘れ難く・隱遁の心深き由を宣ふに
J09_0155B21: 叡空讃歎して・法然房の號をたもふと也・勅修傳第三に出たり
J09_0155B22: ゐに道業を成就し・三朝の帝師・四海の良導と仰が
J09_0155B23: れ・淨土一宗の鼻祖・圓光東漸大師とは申奉る也・
J09_0155B24: 誠に末法萬年・餘敎悉滅・彌陀一敎・利物偏增のい
J09_0155B25: はれも驗く大師の敎へ時に叶ひ・機に應して・老若
J09_0155B26: 緇素を擇ばす・紫雲異香・天樂笙歌の・往生の祥瑞
J09_0155B27: もあらはれて・掌を指すが如くなるもの・幾千幾萬
J09_0155B28: ぞや・しかれば宗祖大師・御遺命の旨を受て・唯往
J09_0155B29: 生極樂の爲に念佛し玉はば・今にも大漸の期到らん
J09_0155B30: に・多生の輪廻・惡報の依身を轉して・忽ち七寳の
J09_0155B31: 華の中に安坐をなし・四八の粧の上に隨好を得ん事
J09_0155B32: 更に何ぞ疑を容んや・展轉してこれを行ぜは・如來
J09_0155B33: の法身常に在して滅せざる也と・佛勅明かなれば・
J09_0155B34: 敬て此御遺誓一紙の妙旨を信仰せば・何ぞ大師の在

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